2014 Fiscal Year Annual Research Report
多色1分子イメージングによるT細胞活性化シグナル分子の時空間的な相互作用の解明
Project/Area Number |
12J08832
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
伊藤 由馬 東京工業大学, 生命理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 1分子イメージング / マルチカラーイメージング / 人工脂質二重膜 / 免疫細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、研究計画に従い、多色同時1分子観察画像の解析を継続して行った。特に昨年度において確立した蛍光1分子の軌跡解析手法を発展させ、それを3色同時撮影したT細胞表面の蛍光1分子動画に適用し、CD3-EGFPで標識された微小なマイクロクラスター内におけるTCRの1分子動態を定量解析した。その結果、クラスター内のTCRには少なくとも2種類の拡散状態が存在することを明らかにした。また、TCRとは相互作用しない膜タンパク質CD45においても、マイクロクラスター内では複数の拡散成分が得られたことから、これらの拡散の異なる環境はタンパク質の種類に依存しない可能性を示すことができた。 さらに、本研究で用いた脂質二重膜構築法の改良を行った。従来法は煩雑なガラス表面洗浄処理や専用装置が必要であるため、生細胞観察への適用に困難が伴い、利用が限られていた。そこで1分子観察に使われる洗浄方法を脂質二重膜の構築に適用し、均一な膜を再現性高く簡便に構築できる方法を確立した。特に洗浄過程で基板にダメージを与えないため、ガラスボトムディッシュ等の使用が可能になり、広範な細胞生物学の研究に利用することが可能になった。さらに、簡便に構築した脂質二重膜に対して、光褪色後蛍光回復(FRAP)法による観察を行い、数値シミュレーションにより拡散係数を見積もったところ、脂質二重膜は細胞表面より十分高い流動性を保持していることが確認できた。また、脂質二重膜上におけるT細胞表面マイクロクラスターの経時変化の観察から、細胞表面分子の流動性も維持されることを確認した。以上は生細胞や光学顕微鏡に限らず、1分子解析やin vitroでの表面分子の分析など、広汎に脂質二重膜を利用することが可能な方法であり、論文として報告した(Ito et al., 2014, Analytical Sciences)。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(7 results)