2012 Fiscal Year Annual Research Report
大豆製品・大豆イソフラボン摂取とアレルギー性疾患との関係を探る臨床疫学研究
Project/Area Number |
12J08918
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
中本 真理子 徳島大学, 栄養生命科学教育部, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 大豆製品・大豆イソフラボン / ライフスタイル / アレルギー性疾患 / 勤労者 / 公衆栄養 / 栄養疫 |
Research Abstract |
これまでに細胞や動物を用いた研究で、大豆イソフラボンや核酸といった食品成分が、免疫機能や慢性疾患に対して予防効果があることを明らかにしてきた。そのため、これら食品の摂取状況や生活習慣が、ヒト集団においても同様の効果があるかを検証するために本研究を実施した。対象者は、徳島県に居住している20歳~60歳の成人勤労者1800名であった。本研究は、ヘルシンキ宣言に則り、対象者の倫理・人権・個人情報保護に十分な配慮をし、徳島大学病院臨床研究倫理審査委員会の承認を受け、実施された。2012年5月~2013年3月の期間に行われた健康診断時に、29の食品グループと10の調理法から構成される調査票食物摂取頻度調査と、基本属性や食行動および休養・運動を含む生活習慣、アレルギー既往に関する質問票調査および、身体計測、採血を実施した。統計解析はSPSS(version 18.0J)を用いて行った。解析時には、年齢、性別、喫煙習慣、BMI、総エネルギー摂取量を調整因子として補正した。食事パターン分析を行った結果、「健康型」「西洋型」「おやつ型」の3つの食事パターンが抽出された。この食事パターンのうち、おやつ型食事パターンとアレルギー疾患との間に正の量・反応関係が認められた。さらに、アレルギー疾患のうち、アトピー性皮膚炎について、多変量調整モデルでおやつ型食事パターンとの間に有意な正の量・反応関係が認められることを明らかにした。また、勤労者の夕食の摂取時刻や就寝時刻などの生活活動時間と慢性疾患との関連についても解析を行い、夕食から就寝までの時間が長いと高血圧のリスクが低下する可能性を見出した。生活リズムや食事の摂取パターンと疾病との関連についての見解は一致しておらず、今後さらにエビデンスを蓄積していく必要がある。今後継続して研究を行っていく必要が求められる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
徳島県内のおよそ2000名の対象者に対して、食生活を含む生活習慣に関するアンケート調査と、身体計測、採血等を実施でき、これまでに収集したデータを用いて、食事摂取を含むライフスタイルと疾病との関係を明らかにすることができた。また、これらの結果を、広く人々に還元するための学術大会などでの発表も行えた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度に引き続き、徳島県内のおよそ2000名の対象者に対して、食生活を含む生活習慣に関するアンケート調査と、身体計測、採血等を実施する。また、食事摂取量やその他食生活行動と生活習慣病との関係について横断的または縦断的に解析を行い、職域集団への食事指導への応用を狙った情報の提供を行う。さらに、成果を国内外の学術学会や学術雑誌などで発表する。
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Research Products
(7 results)