2014 Fiscal Year Annual Research Report
小型衛星の表層進化に着目した土星系化学的分別過程の解明:太陽系初期進化の理解へ
Project/Area Number |
12J08965
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
平田 直之 東京大学, 総合研究博物館, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | エンセラダス / 小型衛星 / 環 / 土星衛星系 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、環の起源や進化を解明するために、力学や性質や組成などの研究に取り込んだ。そのためにN体数値シミュレーションを用いた環粒子の挙動解析や画像解析を用いたスペクトル調査等を行った。その一方で、これまで高解像度データが得られている全ての小型衛星に対して、綿密な地質調査を初めて実施した。一連の調査の結果として、環が小型衛星の表層進化に著しい影響を及ぼしているという知見を得ることができた。この結果は、小型衛星は過去に存在した(現在では観測のできない)環の情報を記録している可能性があるという点で重要である。なぜなら、環は比較的速やかに拡散し消滅してしまうが、小型衛星の表面に定着した環の痕跡は遥かに長期間安定して存在できるためである。そこから土星系の環および衛星系の進化を解明する上で必要な情報を実際に得ることができた。その具体例として、主要環、E環、およびヤヌス-エピメテウス環の研究を推進した。これらの成果のうちの一つが国際誌に掲載されており、さらに一報を改訂中である。 これらの研究を踏まえて得た知見に基づいて、あらたに有望な研究対象を見つけるに至った。E環は土星系で最も注目度の高いエンセラダスを起源とする。エンセラダスは活発な火山活動を有する衛星であり、内部には液体の水からなる海が存在していると考えられている。この活動期間がどの程度続いているのかがこれまで不明だった。本研究は活動的であるがゆえに過去の痕跡が残らないエンセラダス本体では無く、このE環と相互作用を受けた小型衛星を調べることで、逆にエンセラダスの火山活動を制約できることを示し、その活動期間がたったの数千万年~数億年と短期間であったことを明らかにした。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)