2012 Fiscal Year Annual Research Report
フォトニック結晶のための異種レジスト多層膜を用いた一括リソグラフィ技術の開発
Project/Area Number |
12J08974
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
下田 誠 東京大学, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | 三次元 / フォトニック結晶 / リソグラフィ / 多層膜 / ナノインプリント / 中間膜 |
Research Abstract |
本研究の目的は,3次元微細周期構造の大量生産のための製法として"異種レジスト一括リソグラフィ"を提案し,実現することである.異種レジスト一括リソグラフィとは,感光性の異なるレジストを含むレジスト多層膜の各層に一括で2次元パターンを作製するリソグラフィ技術である.一年目の研究実施計画として,(1)現像液浸透構造の作製手法の確立(2)構造の設計(3)レジストの選定があった. (1)現像液浸透構造の作製手法の確立,および(2)構造の設計については,ωロールナノインプリントを用いた貫通穴加工による流路を導入したモザイク構造,(B)2種類の光源を用いた選択層のみへの露光によるウッドパイル構造,の二通りの方式を設計し研究した. (A)ロールナノインプリントを用いて75%程度の転写率を実現した.転写率75%というのは流路導入のための貫通穴加工としては課題が残っているもののロール型を用いたナノインプリントとしては十分に高いレベルにある. (B)2種類の光源を用いた選択層のみへの露光によるウッドパイル構造については以下のように設計した.ウッドパイル構造では(A)のような流路を作製せずとも最上層から最下層まで現像液が到達できる.ただし,一括露光する際に奇数層・偶数層にそれぞれ独立したパターン作製が必要であるため,2種類の光源・4種類のレジストを用いてそれぞれのパターンの干渉を防ぐ.よって4種類のレジストからなる周期多層膜の作製が必要となるが,感光性を維持した多層膜の作製が中間膜のシート供給により実現できることを示した. 一括リソグラフィの実現にとって最も重要な要素技術である現像液浸透構造の作製手法に関して,(A)(B)の両方式で成果が得られたことの意義は大きい.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現像液浸透構造の作製手法について,実験を進めるにつれ当初の計画より制約が多いことが分かり,進展はあったものの作製手法の確立・論文発表には至らなかった.また,当初の計画では2年目に行う予定たっだレジスト多層膜の作製手法に着手できている.
|
Strategy for Future Research Activity |
現像液浸透構造の作製手法について今年度に引き続き研究し,来年度中に確立させる.感光性を維持した多層膜の作製に課題が見つかったが,中間膜のシート供給により解決し,論文にまとめる. 最終年度に光学特性の評価まで行えるよう,一括露光・一括現像のためのリソグラフィ手法を確立する.
|