2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12J08976
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
若林 大佑 東京大学, 大学院理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | SiO2ガラス / 塑性変形 / ケイ酸塩メルト / 粘性 / 相転移 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度、室温で一軸圧縮状態にあるSiO2ガラスが極めて大きく塑性変形することを発見した。当初の計画にはなかった内容であるが、追加的な実験や考察を進めた結果、SiO2ガラスは、一般には脆性物質として分類されているが、圧力の上昇とともに共有結合性が低下し、ネットワーク構造の繋ぎ換えを介した塑性変形が起こりやすくなることで流動性を増すことが明らかになった。この結果について、論文としてまとめて発表した。また、このSiO2ガラスの一軸圧縮実験の結果は、ケイ酸塩メルトにおいても、圧力の増加とともにネットワーク構造の繋ぎ換えを介した粘性流動が起きやすくなって粘性が低下する可能性を示唆している。実際に、SiO2成分に富むケイ酸塩メルトでは圧力の増加に伴う粘性の低下が報告されている。昨年度までに発表した状態方程式に関する考察と合わせると、ケイ酸塩メルトの密度と粘性という二つの重要な物性の圧力変化が、ネットワーク構造の変化という単純なモデルによって統一的に理解できることになる。 過去の研究と合わせると、ケイ酸塩メルトは、上部マントル浅部と下部マントル浅部の圧力条件において、それぞれ、ネットワーク構造とSiの配位数の変化を起こして、密度および粘性を大きく変化させると考えられる。メルトと結晶の間の密度差は駆動力として、メルトの粘性は抵抗力として、マグマ(ケイ酸塩メルト)のダイナミクスに対して直接的な関わりを持っている。地球内部のマグマのダイナミクスやマグマオーシャンの進化過程を考察する上では、これら2回の構造変化(相転移)の影響を考慮する必要がある。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Muonium in stishovite: Implications for the possible existence of neutral atomic hydrogen in the Earth's deep mantle2015
Author(s)
N. Funamori, K. M. Kojima, D. Wakabayashi, T. Sato, T. Taniguchi, N. Nishiyama, T. Irifune, D. Tomono, T. Matsuzaki, M. Miyazaki, M. Hiraishi, A. Koda, and R. Kadono
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Journal Title
Scientific Reports
Volume: 5
Pages: 8437
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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