2014 Fiscal Year Annual Research Report
非晶質炭酸カルシウムの含水量制御および含水量と物性・圧力応答との関係
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12J08988
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
丸山 浩司 東京大学, 大学院理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 非晶質炭酸カルシウム / 圧力 / 結晶化 / カイネティクス / 構造解析 / 水 / ファーテライト / 相転移 |
Outline of Annual Research Achievements |
2014年度は、前年度に引き続き合成した非晶質炭酸カルシウム(ACC)の圧力誘起結晶化の高圧下その場観察を、高エネルギー加速器研究機構(KEK)の放射光実験施設(PF-AR NE5C)にて行った。前年度の課題であった低圧領域の圧力制御に関しては、先端が6mm四方のアンビルを10mm四方のアンビルに変更することによって達成した。さらにセルを大きくすることが可能となったため、セル由来の回折の影響を取り除くことができた。10秒ごとに得られた時分割X線回折(XRD)パターンを解析することにより、圧力によってACCから2種類の結晶相へ同時に結晶化が進行し、その結晶化メカニズムに違いがあることが示唆された。 また、高圧実験により得られた結果をサポートするために必要となる回収試料の組織観察は、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて行った。顕微ラマン分光法を用いて同じ組成である2種類の結晶相の同定を行うために、試料表面に厚さ5nmの蒸着が可能なオスミウム蒸着法を用いることで、SEMの観察領域でのラマンスペクトルのマッピング測定を実現した。SEM観察から、回収試料には多くの空隙が存在し、ACCから放出された水が流体として存在していたことが示唆され、その空隙周辺で結晶相分布の偏りが見られた。これらのことから、ACCの圧力誘起結晶化のメカニズムの解明に有力な手掛かりが得られた。ACCの圧力誘起結晶化に関する結果は、Chemistry Lettersにて発表済みである。 さらに、含水量の異なるACCに関する構造解析も前年度に引き続き行った。KEKの放射光実験施設(PF-AR NW10A)において得られたX線散乱パターンの動径分布関数(RDF)解析が難航していたが、実効体積の補正の方法を改善することで解決の糸口を見いだした。解析は現在も引き続き進めており、ACCの含水量と構造の関係性の解明を試みている。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)