2012 Fiscal Year Annual Research Report
噴霧二相流によるマイクロ界面プラズマ反応を活用した汚染浄化
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12J09008
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
柴田 智弘 東北大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 水処理 / プラズマ / 機能性流体 / 混相流 / 液滴 |
Research Abstract |
水質汚染の問題は世界的に解決が急がれる問題の一つであり、プラズマによる水処理技術に注目が集まっている。特に、反応性の高いOHラジカルなどのフリーラジカルを活用する高度水処理に難分解性有機物分解の期待が寄せられている。本研究はマイクロ液滴と反応性プラズマを混相化した水処理方法に関して、噴霧流プラズマリアクターを作成し、主にメチレンブルー染料を用いた脱色実験を行い分解性能の評価を行なっている。本処理方法はプラズマ中に処理水を噴霧するため、プラズマにより生成された化学種が効率的に有機物分解に寄与する。本処理方法に関して、1.プラズマリアクターの基礎特性、2.液体物性変化、3.水中有機物分解の3点について実験を行った。 1.プラズマリアクターの基礎特性 作成したプラズマリアクターの基礎特性として消費電力やオゾン、OHラジカルの生成に関して計測を行った。本リアクターの消費電力は概ね数ワット程度と非常に小電力であり、オゾンの生成効率が最大で150g/kWhと非常に高効率であった。また、作動ガスとしてアルゴンを用いると、フリーラジカルの一種であるOHラジカルの生成が確認された。 2.液体物性変化 処理前後の溶液の液体物性の比較を行い、難溶性であるオゾン、OHラジカル等、活性種生成の指標である過酸化水素が液滴中に効率的に溶存することが明らかになった。また、これらの化学種の溶存量が溶液pHの影響を強く受け、そのpH依存性を解明した。 3.水中有機物分解 水中有機物として、メチレンブルーの分解実験を行い、1度の処理でほぼ100%の脱色が可能である。また、その分解効率は最大で2mg/kJと非常に高効率である。さらに、難分解性有機物である酢酸の分解実験を行い、分解の中間生成物であるギ酸の生成を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
メチレンブルー溶液に関して非常に高効率で処理することができ、また酢酸に関しても分解が可能であることが示唆されたことから概ね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
現状では溶液が直接プラズマに接しないため、酢酸の分解率は低い。そこで、プラズマリアクターを二重同軸円筒形状に改良し、酢酸分解率の向上を目指す。
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Research Products
(8 results)