2013 Fiscal Year Annual Research Report
噴霧二相流によるマイクロ界面プラズマ反応を活用した汚染浄化
Project/Area Number |
12J09008
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
柴田 智弘 東北大学, 大学院工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 水処理 / プラズマ / 機能性流体 / 混相流 / ミスト |
Research Abstract |
近年、水質汚染問題の深刻化から、プラズマを用いた水質浄化技術に非常に高い関心が寄せられている。特にOHラジカル等反応性の高い活性種による難分解性有機物の分解を目的とした高度水処理に注目が集まっている。本研究では、処理水を微細化しミストとして放電空間中に導入する水処理方法を対象として、Surface Micro Discharge (SMD)、同軸円筒誘電体バリア放電(DBD)チューブの2種類を作成し、活性種の生成特性や難分解性有機物である酢酸の分解について、数値シミュレーション及び水処理実験による解析を行う。平成25年度は以下の数値シミュレーション及び実験を行った。 ・SMDチューブにおける、噴霧流中活性種生成に関する数値シミュレーション 昨年度のSMDチューブによる水質浄化実験をベースとした、プラズマ、気相、液相の3相にわたる混相流中化学反応のモデリング及び数値シミュレーションを行った。本数値シミュレーションにより、化学種溶存量のpH依存性が実験と良い一致を示し、本モデルの妥当性が示された。また、管内ミストへの化学種溶存濃度より本処理方法における最適な管径が存在することが示唆された。 ・同軸円筒DBDチューブによる酢酸分解実験 同軸円筒形状のDBDチューブを作成し、その基礎特性(消費電力、化学種の同定)及び有機物の分解特性について実験による解析を行った。本処理方法により、活性種生成の指標である過酸化水素濃度を測定し、650mg/lの高濃度で生成されることを確認した。また、通常オゾンのみでは分解されない酢酸を分解対象とした水処理実験を行い、数ミリ秒という極めて短いミスト滞在時間にもかかわらず、最大で80%の高い分解率を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
噴霧流中の活性種生成課程の詳細について数値シミュレーションによる解析を行い、さらに、同軸型リアクターにより、非常に短い反応時間で難分解性有機物である酢酸を高分解率で分解可能であることから、概ね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
難分解性有機物の完全分解を目的とし、水蒸気中プラズマによる処理を行う。また、水素生成等、付加価値のある物質の生成について解析を行う。
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Research Products
(7 results)