2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12J09067
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
久保田 紘史 東京大学, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 微小管 / 神経突起伸長 / 微小管結合タンパク質 / EB2 / EB/RPファミリー / directed migration |
Research Abstract |
神経幹細胞から神経細胞への分化、成熟のステップの1つとして、神経突起伸長の制御がある。近年神経突起伸長の制御メカニズムには微小管の安定性制御が重要であることが分かってきた。特に微小管結合因子である、EB/RPファミリータンパク質が微小管の安定性に重要な役割を担っていることが分かっている。このEB/RPファミリーのうち、EB1やEB3は微小管の中でもプラス端に集積する。さらにEB1については、その他の様々な微小管+端集積因子(+TIPs)がEB1依存的に微小管+末端に結合し、微小管を安定化することが知られており、微小管安定化のコアファクターで有ると考えられている。EB2はEB1,3と相同性が高いことが知られているにも関わらず、微小管に対する働きなどは殆ど報告されていなかった。そこで、本研究ではまず(1)EB2の微小管安定性や動態への影響を検討した。EB2が特徴的な微小管束化を阻害することが示唆された。このことはEB2が微小管の不安定化に働くことを示唆し、EB1の微小管安定化とは逆の機能を持つことが示唆された。期待通り、この安定化微小管の束はEB1のノックダウンによって減少した。したがって、EB2はEB1に対し抑制的に働き、安定化微小管の束の形成を阻害していることが示唆された。そこで次に(2)EB2の神経突起伸長における貢献を検討した。その結果、EB2のKDにおいてアクソン伸長が促進されることが示唆された。これは神経突起においても微小管の安定化や束化を阻害している可能性を示唆している。ところで、繊維芽細胞や上皮細胞などのdirected migrationにおいても、一部の微小管が安定化されることが細胞運動において重要であることが分かっている。そこで、(3)EB2や前述の安定化微小管の束が繊維芽細胞においてdirected migrationに貢献しているか検討した。その結果EB2のKDにおいて安定化微小管が多く観察されるとき、directed migrationが阻害されていた。移動先端でのEBl依存的な微小管安定化が細胞のdirected migrationに重要であることがわかっていた。今回の結果からEB2が移動先端以外の安定化微小管の束を不安定化することでdirected migrationに貢献している可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
微小管安定性制御を担う微小管結合タンパク質ファミリーの1つであるEB2が安定化微小管の特徴的な束化を阻害する可能性を見いだした。EB2とホモロジーが高い同ファミリー分子EB1は微小管安定化のコアファクターとして知られており、少なくとも前述の特徴的な安定化微小管束に対してEB2はEB1に対して阻害的に働くことを見いだした。このことはEB1の機能の使い分けを制御している可能性を示している。また、EB1/2は様々な細胞種においてユビキタスに存在しており、微小管安定性や動態制御において多くの細胞共通のメカニズムであることが期待され,非常に興味深い。
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Strategy for Future Research Activity |
最近、directed migrationの後半において安定化微小管の束が細胞の移動方向に平行に並ぶことを見いだした。この安定化微小管はEB2のKDにおいて多く観察されるようになる安定化微小管と染色像が酷似しており、EB2の関連が予想される。今後、この安定化微小管束がEB2の過剰発現において減少するのかを確認し、さらにこのdirected migration後期に出現する安定化微小管束がdirected migrationに貢献しているのか、検討して行く
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Research Products
(1 results)