2012 Fiscal Year Annual Research Report
迅速網羅分析手法の開発とGISを活用した汚染評価システムへの導入
Project/Area Number |
12J09089
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Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
頭士 泰之 国立環境研究所, 環境計測研究センター, 特別研究員(PD)
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Keywords | 国際研究者交流 / スイス / 化学物質 / 汚染評価 / 網羅分析手法 / GCxGC / GIS / 東京湾流域 |
Research Abstract |
本申請研究は、環境中化学物質の網羅分析手法の開発と迅速データ処理システムの開発及び汚染評価システムの発展を目的とし、(1)網羅分析手法と迅速データ処理システムの開発、(2)東京湾流域全域の河川試料の分析、(3)空間的汚染評価システムの構築・発展、の3つのテーマから構成される。 申請研究遂行の初年度は、(1)網羅分析手法と迅速データ処理システムの開発に関して、当初の予定通り、2次元ガスクロマトグラフィー(GCxGC)と高分解能飛行時間型質量分析計(HRTOFMS)もしくは四重極型タンデム質量分析計(MS/MS)を用いた網羅分析手法の開発を行った。具体的には、対象物質の含有濃度が付値されている認証値付き環境標準サンプルの測定を行い、新規開発した解析ツールを用いた自動処理を行った。その結果、HRTOFMSで測定を行った場合、未精製試料に対しても、従来の高度前処理・測定法と遜色ないレベルで自動定量が可能となることが明らかとなった。この成果は国際誌に受理され、出版予定となっている。 (2)東京湾流域全域の河川試料の分析に関しては、当初の予定通り、広範な極性の物質群を同時に捕集する事が可能な試料前処理・濃縮法の検討を行った。この最適化した方法を東京湾流域河川試料に適用しGCxGC-HRTOFMSによる測定を行った。今後はこの測定データの解析を進めて行く予定である。 (3)空間的汚染評価システムの構築・発展に関しては、当初の予定通り、スイス連邦工科大学の共同研究者と汚染評価システムの開発を行う基盤を整えた。1年間の在外研究を予定しており、彼らの研究プロジェクトと連携し、網羅分析手法・空間的汚染評価システムの両面の開発に着手した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、予定していた網羅分析手法の開発に成功し、成果の公表を行うことができた。また在外研究も計画通り進展し、日本で必要となる作業を完了し、本年度末から渡航先での研究活動を始めている。以上の事から、研究計画は順調にしていると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策については、研究計画通り、渡航先の大学及び研究機関において網羅分析手法による測定データの解析を進め、空間的汚染評価手法の開発と組み込みを進める予定である。
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Research Products
(12 results)