2013 Fiscal Year Annual Research Report
大域的多峰性関数最適化のための進化計算における初期化領域問題の解決手法の構築
Project/Area Number |
12J09123
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
上村 健人 東京工業大学, 大学院総合理工学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | 関数最適化問題 / 非明示制約 / 実数値GA / パラメータ適応 / 制約付き関数最適化問題 / 進化計算 / 大域的多峰性関数 / 初期化領域問題 |
Research Abstract |
本研究課題は, 大域的多峰性関数最適化問題において優れた探索性能を有する進化計算手法 (Evollltionary Algorithm ; EA)を開発し, その有効性を検証することを研究目的としている. 今年度では昨年度に着手した, 非明示制約付きブラックボックス関数最適化問題に対処した実数値遺伝的アルゴリズム(実数値GA)に関する研究を進めた, 今年度の主な研究成果は以下の通りである. 1. 提案する実数値GAに関して, 広い既存研究の調査および詳細な挙動解析を行い, その成果を国際会議論文としてまとめた. 非明示制約付きブラックボックス関数最適化問題は, 本研究課題が想定している実問題においてあらわれる問題クラスであり, 既存のEAにおける制約処理のほとんどが利用できない非常に困難な問題クラスである. 提案手法ではアクティブな非明示制約に積極的に集団を移動させることで, ベンチマーク問題において既存手法の最大50%以上の効率化に成功した. 2. 提案手法において子個体生成分布を拡大するユーザパラメータβの自動適応法を構築した. βの値は予めユーザが指定する必要があることから, 探索中に自動で調節することでユーザの利便性の向上や, さらなる探索の効率化が期待できる. そこでβの適応機構を一から構築した. その結果, 提案手法のさらなる効率化と, 頑健性の向上を実現した. 3. より広い問題クラスに対処できる提案手法の改良に着手した. 提案手法はアクティブな非明示制約を対象に, 集団の移動に重きをおいて構築されている. 一方で, アクティブではない非明示制約付き問題等では, 集団が移動せずに周囲の景観形状を学習する状況が起こりうる, このような問題でも効率よく探索可能となるような提案手法の改良に着手した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、昨年度に着手した非明示制約付きブラックボックス関数最適化のための実数値GAの洗練化を行い, 国際会議論文にまとめた. これに加え, 手法のさらなる性能向上およびユーザビリティ向上のために, 提案手法のユーザパラメータを自動で適応する機構の開発および, より広い問題クラスに対処できる手法の改良に着手した. 以上より, 本研究課題の対象としている実問題に向けて, おおむね順調に研究が進展していると判断する.
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度の研究課題に引き続き取り組む. 特に, より広い問題クラスに対処できるような提案手法の改良を進め, 今年度の成果と合わせて論文としてまとめる予定である. また, 昨年度に取り組んでいた, 大域的多峰性に対処した実数値GAの探索の枠組みであるBig-valley Explorerに関する研究に再度取り組み, 実問題での性能評価を行うとともに, 今までの研究成果を博士論文としてまとめる予定である.
|