2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12J09145
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
正井 秀俊 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 双曲多様体 / 体積 / pseudo-Anosov写像 / 例外的手術 |
Research Abstract |
本年度の研究実施状況を報告するにあたり,申請書においてあげた3つの問題を再掲する. 1)体積vを持つ双曲多様体の数N(v)の増加率の解明. 2)n個のカスプを持つ双曲多様体のうち最小の値を持つものの体積をV_nとしたとき, V_n/nの漸近挙動の解明. 3)同じ多様体を実現するfibrationか通約になるための条件の解明. 各問題に対して,本年度行った研究をまとめる. 1)メルボルン大学のCraig Hodgson氏との共同研究で昨年度中に増加率が指数的である事を示した.本年度はその研究を論文「On the number of hyperbolic 3-manifolds of a given volume」にまとめ,雑誌"Proceedings of the Hyamfest"に投稿し,それが受理された. 2)現在,この問題に関して有用だと思われるソフトウェアを開発中である. 3)同じ多様体上に通約なfibrationが存在するための必要条件や,具体的に同じ多様体上で通約であるが,異なるfibrationの構成,さらに通約となるfibrationを全く持たない多様体の例の構成等をすることができた.それら一連の結果をまとめた論文「Oncommensurability of fibrations on a hyperbolic 3-manifold」を執筆し,現在投稿中である. また,日本大学市原一裕氏との共同研究を行い本科研費を使用し,東工大のスーパーコンピュータによる大規模計算援用による交代的結び目の例外的手術に関する研究も行った. さらに,Greg McShane氏と"Equidecomposability, volume formulae and orthospectra"という題で論文を執筆し現在投稿中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究計画であげた3つの問いのうち2つに,大きな進展があり,それらに関して論文を一本ずつ計2本執筆した.また,直交スペクトラムによる体積公式に関する論文をGreg McShane氏と共同で執筆し,現在投稿中である.さらに,例外的手術に関する研究を市原一裕氏と共同で行い,いくつかの集会で講演を行った.市原氏との共同研究について近くに論文執筆予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
2)n個のカスプを持つ双曲多様体のうち最小の値を持つものの体積をV_nとしたとき,V_n/nの漸近挙動の解明.について,主に研究を行う.現在,早稲田大学の大石進一氏,高安亮紀氏と共同で,体積計算を厳密に行うプログラムを作成中である. さらに,Neil Hoffman氏と共同で,対象を算術的多様体に限定した場合についての共同研究を行う予定である.
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