2012 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者の社会的孤立問題と「まちの居場所」実践活動に関する調査と考察
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12J09242
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
小辻 寿規 立命館大学, 先端総合学術研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | まちの居場所 / つながるKYOTOプロジェクト / 高齢者 / コミュニティカフェ / まちの学び舎ハルハウス / 無縁社会 / 中間支援組織 / 社会的孤立 |
Research Abstract |
「まちの居場所」が、社会的孤立問題において、どのような位置づけにおかれ展開してきたのか、全国のまちの居場所に対してインタビュー調査を行い、かつ文献調査より明らかにしてきた。その結果、(1)1990年一1999年には、高齢化社会における地域住民の居場所として展開されてきたこと、(2)2000年~2005年は福祉と地域活性化を実践する居場所として、(3)2006年以降は、福祉、まちづくり、子育て、地縁の再生など様々な要因が重なりあい、まちの居場所も複合的な役割を持つ場所として展開してきたことが明らかとなった。 その上で、まちの居場所の活動が全国的に発展した経緯として、中間支援組織の担った役割も大きいことが明らかとなった。特に大きな役割を担った組織は(1)まちの縁側育み隊(愛知県名古屋市)、(2)コミュニティカフェ全国連絡協議会(東京都港区)、(3)つながるKYOTOプロジェクト(京都府京都市)、(4)さわやか福祉財団ふれあい推進事業(東京都港区)の4つあることも明らかになった。これらの活動を受け、まちの居場所の活動が一般市民やメディアからも認知される機会が増え、政策に反映され、社会的孤立問題を解消していくための担い手として、認識されたといえる。 また、まちの居場所の一つである「まちの学び舎ハルハウス」の調査より、まちの居場所における人間活計構築の構図や、社会的孤立問題を減らすための取り組み、そして、まちの居場所が抱える課題を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
京都市だけでなく、全国的な事例も射程にいれ、検討できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
全国対象の研究を行う予定をしていたが、訪問調査を行う必要性が発生したため。そのため、アンケート調査を行うための予算を訪問調査の予算に回し、まちの居場所の質的調査を拡大して行うこととする。
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Research Products
(6 results)