2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12J09272
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
金 宣中 東北大学, 多元物質科学研究所, 特別研究員(PD)
|
Keywords | リサイクリング / 製鋼スラグ / 極低リンのFe Mn合金 / 硫化処理 / スラグ塩基度 / 温度 / マンガン平衡分配比 / マンガン歩留まり |
Research Abstract |
本研究はマットとスラグ間のMn及びFeの分配挙動に及ぼす気相条件、温度の依存性、スラグ組成の影響について調査し、鉄鋼スラグに含まれる有価金属回収プロセスのマンガンの回収率を高める条件を明らかにする。まず、今年度は多彩な気相条件でスラグ組成によるマットとスラグ間のMn,Feの平衡分配比(L={マット中濃度}/(スラグ中濃度))を調べた。一定の温度では、スラグ塩基度(CaO/Si0_2比)が高くなるほど、MnとFeの平衡分配比(L_<Fe>,L_<Mn>)が高くなった。特に、硫黄分圧が高い条件(logP_<S2>>-2)ではL_<Mn>がL_<Fe>より高くなる条件が求められた。また、実験温度を1350℃~1450℃まで変化させ、L_<Fe>,L_<Mn>に及ぼす温度の影響を調べた。その結果、高温になるほどL_<Fe>とL_<Mn>増加した。特に、マット中にマンガンを濃縮させるには温度を高くする必要があった。さらに、得られた平衡分配比の測定値をに基づく物質収支計算を行なった。最適な測定値での結果、スラグの硫化処理を介して回収できるマンガン歩留まりはおよそ90%以上であった。マットの酸化段階では、多重連続酸化プロセスを提案し、測定値で物質収支計算を行なった結果、マンガン歩留まりはおよそ80%で、マンガン濃縮率はおよそ70%以上であった。つまり、マットの酸化段階の後に得られるマンガン濃化酸化物を還元させるとおよそMn濃度が70%に近くかつ極低リンのFe-Mn合金が得られると考えられる。一方、マットと平衡したスラグ組成を元ついて、スラグ中のMnOとFeOの活量を測定した。測定結果を介して独自に修正を加えた熱力学モデル等で解析し、マット中のFeSやMnSの活量係数を明らかにした。これらの熱力学データやモデルは製鋼スラグからマンガンを回収する研究について理解する上でも非常に重要なデータである。また、熱力学データやモデルに介して実機プロセスに応用するために、鉄鋼スラグに含まれる有価金属回収プロセスの反応速度モデルを確立させる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成24年度では研究計画の通りに一定の温度と鉄増禍で、スラグ組成によるスラグ中のMnOとFeOの活量を測定し、マットとスラグの平衡実験によりMnSとFeSの活量を求めた。さらに、平成25年度の計画であったスラグとマット間のP,Fe,Mn,Caの平衡分配比に及ぼす温度依存性を調べ、マット組成との関係を把握した。得られた結果を現在ISIJ internationalに投稿している。
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究はマットとスラグ間のMn及びFeの分配挙動に及ぼす気相条件及びスラグ組成の影響について調査し、鉄鋼スラグに含まれる有価金属回収プロセスのマンガンの回収率を高める条件を明らかにすることが潤的である。すでに、マットとスラグ間の熱力学的に平衡関係での気相条件、温度、スラグ組成の影響について調べ、熱力学モデル等で解析した。さらに、熱力学データまたはモデルを元にして実機プロセスに応用するために、今年度ではマットとスラグ間の反応速度について調べる。また、鉄鋼スラグに含まれる有価金属回収プロセスの反応速度モデルを確立させる。
|
Research Products
(7 results)