2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12J09272
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
金 宣中 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教
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Keywords | リサイクリング / 製鋼スラグ / 極低リンのFe-Mn 合金 / 硫化処理 / 反応速度モデル / MnS及びFeS活量係数 / マンガン 平衡分配比 / マンガン歩留まり |
Research Abstract |
本研究はマットとスラグ間のMn及びFeの分配挙動に及ぼす気相条件、温度の依存性、スラグ組成の影響について調査し、鉄鋼スラグに含まれる有価金属回収プロセスのマンガンの回収率を高める条件を明らかにする。また、熱力学データや競合反応モデルを介して実機プロセスに応用するために、鉄鋼スラグに含まれる有価金属回収プロセスの反応速度モデルを確立させる。今年度の前半は熱力学データをベースにした競合反応モデルを開発した。モデルの計算結果から、マット中にCaSが多く含まれるほど、製鋼スラグの硫化段階でマットへのマンガン歩留まりが90%以上であった。また、マットの酸化段階の計算結果では、添加する酸化スラグの塩基度が低いほど、酸化スラグ中のMn/Fe比(マンガン濃縮率)が増加することが分かった。さらに、マットの酸化を多段階で行うと、マンガン濃縮率を高くしながら、マンガン回収率が増加できることが分かった。マンガン歩留まりはおよそ80%で、マンガン濃縮率はおよそ70%以上であった。 後半期ではモデルの計算結果を元にして、実験でマットとスラグ間の反応速度を調べた。まず、合成製鋼スラグの硫化実験を行い、反応時間に対するマットとスラグの組成変化を調べたところ、計算結果とほぼ同様な傾向が見られた。また、マット中のPはほぼ0.1%以下であり、懸濁しているスラグ粒子が原因であった。マットの酸化段階では、スラグのFeOを酸化源として反応実験を行ったところ、マット中のCaSとMnSが酸化物としてスラグに濃縮できる計算結果を実験的に証明した。 本モデルは製鋼スラグからマンガンを回収するプロセスを実機プロセスに発展させる上でも非常に重要なデータであり、銅精錬や低品質マンガン鉱石の精錬に対しても十分応用できる。また、製鋼スラグ中にはマンガン以外にクロムなどがあり、本モデルは今後のクロム回収についても有用な研究である。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Research Products
(9 results)