2013 Fiscal Year Annual Research Report
構造化オーバレイアルゴリズムの体系的設計手法の確立
Project/Area Number |
12J09278
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
長尾 洋也 東京工業大学, 大学院情報理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 構造化オーバレイネットワーク / P2P / ネットワーク / ルーティング / アルゴリズム |
Research Abstract |
H25年度は、下記の成果を得た。 (1) GFRT-Chordアルゴリズムを、H24年度成果である「構造化オーバレイアルゴリズムの拡張モデル」に対応した形式で記述・実装し、拡張モデルに則した実装が可能であることを示した。基礎となるアルゴリズムFRT-Chordの経路表管理と、そのアルゴリズム拡張であるGFRTの経路表管理を、実装上でも分離することに成功した。 (2) XORベースの距離関数を用いたFRT-Kademliaを実装し、そのGFRTの経路表管理の実装と組み合わせることで、FRT-KademliaにGFRT拡張を施したアルゴリズムGFRT-Kademliaを容易に実現できることを示した。これにより、GFRT-ChordとGFRT-Kademliaに共通利用できるGFRTの実装が実現されたことになる。これは、基礎アルゴリズムと拡張アルゴリズムとの分離の具体例となり、体系的設計手法の確立に向けての大きな進歩となった。 (3)また、今後GFRT以外の拡張の実装および、複数のアルゴリズム拡張を同時に適用したアルゴリズムの実装を行い、アルゴリズム拡張の機械的な合成の実現を目指す。拡張の合成機構は実装済みであるため、GFRT以外の拡張の実装が残されている。 (4)これらの実装にあたり、従来利用していたシミュレーターの代わりに、新たに提案手法FRT (Flexible Routing Table)との親和性の高いシミュレーターを新規開発した。これにより、上記のFRTベースアルゴリズムおよび、拡張アルゴリズムGFRTとの結合が容易となっている。その他、実験シナリオの記述力や、実験の再現性が向上し、より詳細なアルゴリズムの分析・比較が可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
異なるアルゴリズム拡張の合成機構を計画通り実装できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後GFRT以外の拡張の実装および、複数のアルゴリズム拡張を同時に適用したアルゴリズムの実装を行い、異なるアルゴリズム拡張の機械的な合成の実現を目指す。
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