2012 Fiscal Year Annual Research Report
高速フォトクロミズムを利用した自己組織化過程の時空間制御
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12J09290
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
武藤 克也 青山学院大学, 理工学部, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 高速フォトクロミズム / イミダゾール二量体 / 蛍光スイッチング / 超解像顕微鏡 |
Research Abstract |
近年では超解像顕微鏡と呼ばれる新たな蛍光顕微鏡が確立され、回折限界を超える空間分解能が達成されより詳細なイメージングが可能になっている。光スイッチング顕微鏡では、光照射による蛍光プローブの蛍光能のON、OFFスイッチングを利用する。現在、プローブとして光スイッチング能を有する蛍光タンパク質の開発が広く進められているが、タンパク質をプローブとして用いた場合、その分子量の大きさから標的とする生体分子の機能を損なう恐れがある。そこで、有機フォトクロミック分子のように、低分子で光により異性化する分子を用いることで超解像イメージを達成することを目指した。[2.2]PC架橋型イミダゾール二量体は光照射によりラジカルを生成するため、ラジカル状態では蛍光が消光されることが期待される。そこで蛍光ユニットを[2.2]PC架橋型イミダゾール二量体に導入した新規化合物を合成し、分光化学特性とフォトクロミズムに伴う蛍光消光を検討した。当研究室で開発された高速フォトクロミック分子である[2.2]パラシクロファン([2.2]PC)架橋型イミダゾール二量体が紫外光照射により発色体であるラジカル種を生成する特徴を利用し、蛍光色素としてフルオレセインを導入することで超解像イメージングへの応用に向けた高速蛍光スイッチングを達成し、論文としてまとめた(Mutoh,K.;Sliwa,M.;Abe,J.Phys.Chem.C2013,117,4808.)。 より光退色に強いペリレンビスイミド(PBI)を導入し、理論化学に基づき分子設計を行うことで紫外光励起における蛍光量子収率の低下、すなわちフォトクロミズムの量子収率の向上に成功した。また、単一光子計数法によりPBIからラジカル種へのエネルギー移動効率(98%)を算出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
[2.2]PC架橋型イミダゾール二量体を用いた蛍光スイッチングに成功したことは評価される。 今後は単分子レベルにおけるより詳細な蛍光スイッチングの検討、および実際に超解像イメージングを達成することを期待したい。
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Strategy for Future Research Activity |
ネマチック液晶に光学分割した[2.2]パラシクロファン架橋型イミダゾール二量体をキラルドーパントとして導入することでキラルネマチック液晶を作成し、MOSAICを用いて光照射することで液晶に部分的な相転移を引き起こす。光照射強度、時間、範囲、回数や温度を変化させた時の液晶パターンの時空間発展の相違を詳細に検討する。 昨年度の研究過程で成果が得られた高速フォトクロミズムを用いた蛍光スイッチングについても研究を推進する。合成した化合物の単分子における蛍光スイッチング特性を検討し、STORMやPALMといった超解像顕微鏡の手法を用いて実際に超解像イメージを得ることを目指す。
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Research Products
(17 results)