2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12J09313
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
松原 正樹 東北大学, 多元物質科学研究所, 特別研究員(PD)
|
Keywords | 有機無機ハイブリッド材料 / 液晶性 / デンドリマー / ナノ粒子 / 超格子構造 / 量子ドット |
Research Abstract |
三次元的に規則配列した無機ナノ粒子は, 集合構造に由来する新たな機能発現の可能性がある. 一方で, 有機デンドロンは液晶性を有し, 複数の分子の自己集合により様々な自己組織構造を形成する. 本研究では, 無機ナノ粒子ヘデンドロン由来の液晶性を付与することに着目し, カルボキシル基修飾した無機ナノ粒子と末端アミノ基を有するデンドロンをアミド結合形成により有機無機ハイブリッド化し, 無機ナノ粒子をコアとした液晶性有機無機ハイブリッドデンドリマーの三次元自己組織構造形成および構造形成に由来する新たな機能開発を目的とした. 本手法は様々な球状無機ナノ粒子に汎用的に応用できる可能性があり, 超格子構造を構築するボトムアップ型テクノロジーの新手法のひとつとなるという点で大変意義深いと考えられる. 本年度は新たに半導体ナノ粒子(量子ドット)であるCdSナノ粒子に着目した. 基材となるカルボキシル基修飾球状CdSナノ粒子C1は, ドデカンチオールおよびメルカプトヘキサデカン酸の両存在下でカドミウム源の熱分解によって調製した. 次いで液晶性有機デンドロンG2とハイブリッド化し, CdSナノ粒子をコアとした有機無機ハイブリッドデンドリマーG2/C1を合成した. G2/C1はDSC測定による液晶性評価では, 7℃から216℃の温度範囲で液晶相を形成した. 温度可変SAXS測定では温度上昇に伴い複数の散乱パターンが出現し150℃で高秩序性の組織構造を形成した. 温度可変偏光顕微鏡観察では流動性が見られたものの, 偏光下で複屈折が見られなかったことから, G2/C1はキュービック状の液晶構造を形成していることが明らかとなった. 一方で規則配列した際のフォトルミネッセンス測定をしたところ, 熱処理温度の上昇に伴い発光強度が減少し, 150℃で消光した. これは組織構造の規則化に伴い有機分子中のベンゼン環がスタッキングし低エネルギー準位を形成したため、非放射性のエネルギー移動が起こったと考えられる. 以上から, CdSナノ粒子をコアとした有機無機ハイブリッドデンドリマーを合成し, その組織構造形成・発光特性を明らかにした.
|
Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
|
Research Products
(6 results)