2014 Fiscal Year Annual Research Report
階層構造を有するエラスチン由来人工細胞外マトリックスの構築
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12J09321
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
レ ヒュイン ティエン ドゥック 東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | エラスチン / ブロックポリペプチド / 自己集合 / ナノファイバー / 人工細胞外マトリックス |
Outline of Annual Research Achievements |
エラスチンは血管、靭帯、皮膚などに多く含まれる細胞外マトリックスタンパク質であり、組織の弾力性保持に重要な役割を果たしている。エラスチン分子の特徴的な繰り返しアミノ酸配列を模したポリペプチドはエラスチン由来ポリペプチド (ELP) と呼ばれ、自己集合性と優れた力学特性を持つため、生体材料として有用である。本研究では、天然エラスチン組織に見られるファイバー状組織体を形成しうる新規なELPの開発と、それを利用した生体模倣人工細胞外マトリックス (artificial Extracellular Matrix, aECM)の作製を目的とした。 昨年度までに、天然エラスチン分子の二種類の疎水性ドメインの偏った分布を模倣したブロックELPを新たに開発し、これが水中で温度刺激、あるいは、有機溶媒の添加によって自己集合して数珠状構造を有するナノファイバーを形成することを報告した。 本年度は、得られたファイバーを利用してaECMの構築を進めた。ブロックELPの温度応答性に起因してファイバーが低温で分解する問題点を解決するために、架橋可能な配列を付加した新規なブロックELPを作製した。架橋剤を用いて反応を行うことにより、ファイバーの分解が抑制され、広い温度範囲で利用可能なナノファイバーが調製できた。さらに、ヒト真皮のECM構造に倣ったaECMを、ゼラチンとELPナノファイバーの混合分散液を電界紡糸することにより作製した。作製したaECMの引張試験の結果から、ELPナノファイバーの添加がaECMの弾性率を低下させることがわかった。ELPナノファイバーがaECMの力学特性を制御しうる有用な構成要素であることが示された。また、作製したaECMは細胞毒性を示さないことを確認した。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)