2012 Fiscal Year Annual Research Report
「パブリック・ビューイング」の実証研究-日独比較を通じた社会的機能の考察
Project/Area Number |
12J09324
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
西尾 祥子 名古屋大学, 国際言語文化研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | パブリック・ビューイング / 日独比較 / オーディエンス研究 / メディア・イベント / グラウンデッドセオリー / 半構造的インタビュー / アイデンティティ / マス・コミュニケーション |
Research Abstract |
家庭でも見られるテレビ番組を公共の場で集団視聴する「パブリック・ビューイング」というイベントを日独のオーディエンスを比較し多角的に検討することで、狭義には「メディア・イベント」研究の新たな理論構築を目指す。本年度は研究達成に必要な社会調査を全て終えることが課題であった。 今年度行った具体的な研究内容は下記の通りである。 1.ドイツ国内で調査を実施 本研究では日独比較をするために、日本とドイツが研究のフィールドとなる。ドイツ国内では下記のような調査を行った。 1-1.2012年サッカー欧州選手権に際してベルリンのパブリック・ビューイングでフィールドワークを行った。 1-2.ドイツ人インフォーマントに面会し聞き取り調査(半構造的インタビュー法による)を行った。 1-3.ミュンヘン市の現代史研究所を訪問し資料を得た。 2.日本国内で調査を実施 日本国内で行った調査については以下の通りである。 2-1.日本人インフォーマントに面会し聞き取り調査(半構造的インタビュー法による)を行った。 2-2.パブリック・ビューイングを主催したテレビ局関係者に面会し聞き取り調査を行った。 3.得られたデータの発表およびコメントを受けた修正の継続 1~2の過程で得られたデータは、2回の学会発表と1回の論文(審査中)に投稿した。特に学会発表ではその場でデータ分析に関する多くのコメントがあり、意見交換の末に、今期を持って本研究で必要なすべての聞き取り調査を終了することができた。結果、予定より早く博士論文執筆に取り掛かることができている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していたすべての社会調査を無事終了し、理論構築に向けたデータ分析もすべて完了した。また、博士論文は次年度に取り掛かる予定として報告していたが、予定よりやや早い今年度終盤からすでに執筆を開始している。データ収集、分析、博士論文の執筆の進度を総合し、順調に研究が進んでいると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度はミュンヘン市の現代史研究所の研究員を訪問し現場の職員の方々と知り合いになったことが思いがけない収穫であった。この研究所は戦後ドイツに関連する豊富な資料があり世界から多数の客員研究者を抱えているほか、所長の声明が連邦政府の政治的方針に大きく影響を与えるような意味合いも持っており、現代ドイツ研究者にとっては重要な場所である。 研究の進度は今のところ予定通り進んでおり、来年度にはこの調子で研究の完成を目指すが、その過程で現代史研究所は貴重な資料収集先となることが期待できるために、来年度再び資料調査訪問することを検討している。
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Research Products
(2 results)