2012 Fiscal Year Annual Research Report
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12J09350
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
鈴木 賢人 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 木質住宅 / 捩れ挙動 / 偏心 |
Research Abstract |
現在、振れ挙動に対する設計法では「動的効果」と「層間の相互作用」が無視されている。しかし、これらを考慮しないと、多くの場合で2層偏心木質住宅の振れ挙動を危険側に評価してしまう。これを正しく評価するには2層偏心木質住宅の振動特性を適切に評価することが必要である。 そこで、地震応答解析によって、矩形平面で剛床を有する場合の2層偏心木質住宅の涙れ挙動について基本的な現象を確認した。また、これまでは、2層偏心木質住宅の振動特性を得るための固有値計算は計算量が多く、かつ、その解も複雑な形であったため、その振動特性を得ることおよび、振動特性がどの要素がどの程度影響しているのか認識することは難しかった。そこで、部分モード法を用いた2層偏心木質住宅の固有値解析を行い、数学的正当性を確保したまま、固有値計算の簡易化と解の整理を行った。 建築計画や敷地事情などの理由により、戸建住宅の平面形状は矩形でない住宅(以下、不整形平面住宅)が多く存在している。例えば、L字型住宅やコの字型住宅である。これらの住宅は地震時に水平構面の面内剛性が局所的に低くなり、かつ、突出部付け根部分の接合部には応力集中が生じるため変形が生じやすく、剛床として扱うことは難しい。そのため、たとえ平面上均等に耐力要素を配置したとしても、各耐力要素に均等に応力伝達されず、局所的に応力集中が生じることで、振れ挙動を生じる。一方で現在の設計法は、不整形平面住宅であっても剛床として扱うため、適切に涙れ挙動を評価できていない。この問題は既に知られていることであるが、過去、これについて検討を行った研究は無い。そこで、木造戸建住宅を想定した2層コの字型平面試験体と2層矩形平面試験体を作成し振動台実験を行った。この実験により、局所的に水平構面の面内剛性が低下している場合の涙れ挙動を確認した。 G
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画書に記載した内容に比べ、多少の研究手順の変更があったが、実験研究・解析研究ともに、概ね計画書通りに進展しているため、区分(2)と判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
現状では、基本的な「矩形平面で剛床を有する場合」と局所的に「不整形平面住宅」の振れ挙動について検討を行った、今後は「質量偏心を有している場合」や、「質量偏心と剛性偏心両方を有している場合」の検討を、計画書に基づき振動台実験および解析研究により進めていく。
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Research Products
(8 results)