2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12J09386
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
八尋 耕平 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 有理チェレドニック代数 / ハリシュ-チャンドラ両側加群 / 圏O |
Research Abstract |
今年度は、有理チェレドニック代数のハリシュ-チャンドラ両側加群の圏の性質を有限次元半単純リー環の場合の類似という観点から研究した。ハリシュ-チャンドラ両側加群は有理チェレドニック代数の表現の圏で特によい性質を持つ圏0と密接に関係している。有限次元半単純リー環に対してはこれらの圏は圏同値であるが、それぞれに特長があり、そのことを用いて多くの研究がなされている。今年度は有限次元リー環に対してのツッカーマン関手やcompletion関手、twisting関手の類似を定義することを目標としたが、これらの関手の定義は半単純リー環に特有の構造に基づいており、有理チェレドニック代数に対して同様のものを構成することはできなかった。しかし,研究の過程で有理チェレドニック代数の圏0はむしろ表現論的にはq-シューア環であり,さらにそれに有理チェレドニック代数自身の持つ環論的構造があると考えたほうが自然であることが判った. もともとはBGG圏に関する研究も行う予定であったが,最近発表されたエリアス,ウィリアムソン及びシャン,ヴァラニョロ,ヴァスロらによって発表された論文がこの方面で重要であると思われるので,それらを理解することを優先した.これらの結果は半単純リー環及びアファインリー環に関するものであるが,有理チェレドニック代数の圏0とも関係があることがヴァラニョロ,ヴァスロによって示されているので,これらの結果を上の研究に応用できないかとも考えた.しかし,彼らの与えた関係が圏の同値を与えるわけではないこともあり、明確な結果は得られなかった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度中に構成するはずであった関手を構成することができなかった.
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Strategy for Future Research Activity |
初年度の研究からヘッケ環の表現論と有理チェレドニック代数の圏0の関係とワイル群と半単純リー環の圏0の関係との類似性が重要であることがわかったので,これに関する研究を行う.もともと二年目に行う予定であった研究もこの観点から見たほうがよいとおもわれる. 超局所化に関する研究は予定通り行う
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Research Products
(2 results)