2014 Fiscal Year Annual Research Report
プラズマエッチングによるナノ構造発現メカニズムの解析と応用
Project/Area Number |
12J09423
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Research Institution | Kochi University of Technology |
Principal Investigator |
針谷 達 高知工科大学, 工学部, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | プラズマエッチング / プラズマCVD / ダイヤモンドライクカーボン / アモルファスカーボン / ナノ構造体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、原料ガスとしてCOガスを用いることで、プラズマCVD法による水素を含まないDLC薄膜の作製と評価を行った。COガスを原料とし、RF(13.56MHz)プラズマCVD法により、Si基板上にDLC薄膜を成膜することに成功した。膜特性は、硬さ15GPa、屈折率2.06、水素含有量4atm%、酸素含有量20atm%であった。COガスから作製したDLC薄膜は、C2H2から作製したDLC薄膜に比べ、低抵抗であることを確認した。合成圧力を40Paとしたとき、COガスから作製したDLC薄膜のシート抵抗は、約2×10^4Ω/□であり、膜硬度は14GPaを示した。 本研究では、プラズマと基材とのナノ界面に焦点をあて、DLCの酸素プラズマエッチングによるナノ構造体形成過程を明らかにした。ナノ構造体形成過程において重要なナノ構造体の発現要因が金属堆積であることを明らかにし、スパッタによる金属堆積とエッチングによるDLC加工の2段階プロセスによってナノ構造体を作製することに成功した。この2段階プロセスにより、堆積金属元素の違いが与えるナノ構造体形状の変化を明らかにした。酸素プラズマエッチングによるDLCナノ構造体の作製では、カーボンと反応性の高い金属元素を用いることで、ナノ構造体の長尺化・高密度化を実現した。さらに、XRR分析などから基材DLC薄膜の膜特性を明らかにした。また、COガスを原料としたプラズマCVD法により、DLC膜としての硬度を有した低抵抗カーボン膜の作製に成功した。 本研究の成果は、酸素プラズマエッチングによるDLC薄膜のナノ構造化プロセスを明確にした点と、プラズマCVD法による低抵抗DLC薄膜の実現にある。プラズマCVD法により成膜した低抵抗DLC膜は、新たなハードコーティング材料として期待されるだけでなく、プラズマエッチングによるナノ構造化により、従来のDLCナノ構造体に比べ低閾値電圧かつ高い耐電流特性を有する電界電子放出ナノ材料になると期待される。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)