2013 Fiscal Year Annual Research Report
空中超音波フェーズドアレーによる非接触触覚インタフェースの研究
Project/Area Number |
12J09694
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
長谷川 圭介 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 空中超音波 / 非接触触覚提示 / フェーズドアレー / 逆問題 |
Research Abstract |
本研究は空中超音波を用いた触覚提示の応用上の可能性についてa)非接触かつ非拘束な触覚提示という特徴を生かした新しいアプリケーションの確立およびb)時空間的に多様な触覚提示による触覚研究への貢献という2点を主要な目標として設定し、これにむけて取り組んだものである。当該年度に実施した成果は、1)空間的に広がりを持った触覚パターンの生成法の逆問題的解法の導出、2)併発する可聴音の発生メカニズムとその抑制法の実証、3)人体上に投影した映像に振動触覚刺激を重畳するシステムの開発の3点にまとめることができる。 1)については前年度に引き続き、位置の決まった超音波振動子から放射される超音波の位相と振幅を逆問題的な手法によって最適化し、これにより所望の音圧および粒子速度の分布を構成できることをシミュレーションにより示した。前年度に導出された初歩的な手法に比べ、振動子振幅の分散を小さくする正則化項および出力の重みづけを行う行列の導入により、提示力の大きさという意味でより現実的な解が得られることがわかった。 2)について、可聴音の発生は応用の幅を狭めるため解決が必要な問題である。この原因の一つが超音波の振幅変調波の高域成分にあることを理論的および実験的に示し、変調波のスムージングにより可聴音が軽減されることを実証した。 3)については、非接触触覚提示の応用例として、人体上にプロジェクタによる映像と空中超音波による振動触覚刺激を同時に投影するシステムを構築した。当該システムによりユーザは掌に上ってくるトカゲなどを映像と触覚により感じることができる。また、東京大学大学院情報理工学系研究科石川研究室との共同研究により、高速で動く人体上にインタフェースを提示するシステムを構築した。これは将来的にユーザの所有するデバイスではなく、環境側にユーザに対する情報提示機能を埋め込むという新しい情報環境の提案である。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Research Products
(8 results)