2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12J09757
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
浅場 智也 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 量子計算 / 量子情報 / アナログ回路 / 周波数基底 / 並列計算 / 量子アルゴリズム / プリント基板 |
Research Abstract |
実施内容最終目的は「周波数基底アナログ電子回路による量子アルゴリズムを用いた素因数分解」である。アナログ電子回路にて量子アルゴリズムが実行できるという事は新しい電子回路構築法の開発につながり、またより量子性の高いアルゴリズム開発の契機となり、古典計算・量子計算の両者にとって意義深い。 本研究ではまず基礎研究として 1.基本パーツである周波数変換機やくし状周波数特性フィルタ等の構築 2.前述のパーツを用い量子計算に必要な二つのゲート(制御NOT、回転ゲート)の構築 3.前述のゲートを用いた量子アルゴリズムの実行 を行った。 遂行経過研究は予定よりも速く進み、上述の(1)から(3)までが完了した。 1.まず、基本パーツをNI MULTISIMにより設計しその製作を試みた。次に設計された回路をPCB基板上に実装し、各素子において設計との誤差が1%以下のものを必要数製作した。製作工程は当初の予定より速く進み、二カ月で基本パーツ(くし状周波数特性フィルタ、周波数変換機、電圧加算器)を構築できた。 2.1.で作製されたパーツを用いて制御NOTゲートと回転ゲートをPCB基板上に実装した。どちらのゲートも高フィデリティ(>98%)で動作する事が確認された。以上により、電子回路上で任意の量子ゲート操作ができることが示された。 3.2.で量子ゲートが実際に動作することが検証出来たため、NI MULTISIM上でシミュレーションを行い量子アルゴリズムの動作を検証した。2qubitグローバーのアルゴリズムを実行し、フィデリティ50%以上で確かにグローバーのアルゴリズムが動作することを実証した。
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