2013 Fiscal Year Annual Research Report
3次元形状コイルによる自律的ディスラプション制御の実証
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12J09762
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
畠山 昭一 東京工業大学, 大学院総合理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 小型トカマク装置 / 垂直位置不安定性 / ヘリカルコイル / 外部摂動磁場 / ディスラプション / 垂直移動現象(VDE) / フードバック制御 / MHD不安定性 |
Research Abstract |
1. トロイダル磁場コイルの強度試験 小型トカマクの製作にあたって工学的課題になるのが、トロイダル磁場コイルの電磁力である。コイルには働く力は、フープ力に由来する正味の向心力、垂直磁場による転倒力に分けられる。特に向心力は、製作中の本装置であっても、コイル1つにつき500kgf程度と非常に大きい。支持構造の設計のため、有限要素法解析による応力解析を行った。設計では、小型装置特有のパルス的な通電による撃力に耐えるため、安全率を8程度とした。巻線・支持構造一式を試作して、強度試験を行った。試験では電磁力を模擬するために、想定される電磁力の2倍である1000kgfのおもりをコイルに吊り下げた。これにより、静禍重においては十分な安全性が確認された。同時にひずみゲージによる応力測定も行い、変形は安全な弾性領域にあると確認できた。強度試験の結果に基づき、トカマクに用いるコイル16式の巻き線を製作した。 2. フライホイール電源の整備 CS・PFコイル系についてはフライホイール付きの誘導発電機を整備した。トカマクでは特に立ち上げにおいて平衡位置・形状制御のために、正確な磁場制御が求められる。小型装置の電源にはコンデンサバンクが広く使用されているが、コイル電流の供給とともに電圧が大きく低下してしまうので制御性に難がある。誘導発電機では、電源電圧が長時間維持できるのに加えて、蓄積エネルギー密度が大きいのでコンパクトな電源を実現できる。IGBTを用いたDCチョッパーと組み合わせることで、正確なコイル電流の制御が実現される。フライホイールの機械回転数とともに電圧が落ちていくが、DCチョッパーのスイッチングは電圧変動を加味して補償するようにPWM制御している。模擬試験では発電機電圧が半減しても、指令した方形波電流を1秒程度維持できた。正確な電流制御により、再現性の良いプラズマ生成が期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
設計に多少の遅れが生じたが、主要機器の製作は概ね完了した。
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Strategy for Future Research Activity |
H26年度は初旬に計測器も含めて装置組み立てを完了して、放電調整に入る。後半には摂動ヘリカル磁場印加実験を行い、VDEフリーなトカマク放電の実証を目指す。
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