2014 Fiscal Year Annual Research Report
北琉球沖縄久高島方言の総合的記述研究および音声・映像データの保存・公開
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12J09883
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
新永 悠人 東京外国語大学, 総合国際学研究院, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 北琉球久高島方言 / 記述文法 / 談話資料 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の対象は、琉球諸語の下位方言一つ、沖縄語久高島方言(以下、久高島方言)である。久高島方言は、未だ十分な記述・記録がなされておらず、さらに若い世代への継承が困難な状況にある、消滅の危機に瀕した言語の一つである。本研究の目的は、以下の2つに分けられる。一つは、久高島方言に関し、音韻論・形態論・統語論・語用論を網羅した総合的な文法書を一般言語学の用語を用いて英語で記述すること。もう一つは、その記述内容を実際に音と映像で確認できるように、久高島方言の音声・映像データを記録・保存し、公開することである。前者の基礎となるのは音韻論である。久高島方言では数々の先行研究で「特殊な舌頂音」として言及されてきた音が存在するが、その音声に関し、データの収集とその分析を行い、それが現時点では破裂音の一種として解釈するのが妥当であることを学会および学術論文で発表した。形態論、統語論、語用論では、特に自然談話におけるデータが不可欠であるが、複数回のフィールドワークにより自然談話の収録およびそのデータの書き起こしを続け、現時点において141分の書き起こしを済ませた。また、それに伴い、自然談話に現れた表現に関する文法事項の質問も継続して行った。特に語用論に関しては、琉球各地点の方言の中で、久高島方言の指示副詞の在り方が珍しい(他地点は日本語標準語の「あれ、これ、それ」のような3項対立か、もしくは1つ少ない2項対立がほとんどであるのに対し、久高島方言はその対立が一切ない)ことを映像データを用いて学会で発表した。上記の情報をもとに文法スケッチを作成しており、学会誌に投稿予定である。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)