2012 Fiscal Year Annual Research Report
ホルムアルデヒドをC1合成素子とするラジカル反応の新展開
Project/Area Number |
12J09927
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
川本 拓治 大阪府立大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ラジカル反応 / ホルムアルデヒド / NHCボラン / 一酸化炭素 / 一炭素増炭反応 / トリエチルボラン |
Research Abstract |
ラジカルC1素子は一酸化炭素やイソニトリルの反応を通じ、その潜在能力が明らかとなっている。一方、ホルムアルデヒドは古くからイオン反応をはじめ数多くの反応に利用されその有効性が明らかとなっているにもかかわらず、ラジカル反応においては検討例が過去に数例しかなく、有効な反応として認識されているとは言い難い。本研究ではこれまで未検討であった、ホルムアルデヒドの反応性や合成化学的有用性を明らかにすることを目的としている。アルキルカテコールボランとホルムアルデヒドとの反応を検討したところ、期待通り付加反応が進行しヒドロキシメチル化体が得られることを見出した。次に、ヨウ化アリールの検討を行った。シアノボロヒドリドをラジカルメディエーターとし、4-ヨードアニソールとパラホルムアルデヒドとをアセトニトリル中に混ぜ、室温で低圧水銀灯照射を行ったところ、主に生成したのは還元体であるアニソールであった。つづいて、AIBNを開始剤とし、熱条件下で反応を検討したところ、低収率ではあるが目的とする付加体が得られた。そこで、ホルムアルデヒドの代わりに一酸化炭素をCl源として用い種々水素化ホウ素試薬を検討したところ、NHCボランを用いた場合効率よくヒドロキシメチル化体を与えた。また、中間体であるアルデヒドの還元は、ヨウ素化されたNHCボランが関与していることを明らかにした。 以上、本研究ではホルムアルデヒドのラジカル反応に対する基礎的な知見を得た。今後、これらを指針とし多成分連結反応へ展開する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究目的であるホルムアルデヒドをラジカルアクセプターとした炭素-炭素結合形成反応開発は、当初の研究計画以上の成果を達成することができている。また、一酸化炭素を用いた反応も達成できている。今後も引き続き検討を行なっていきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
一酸化炭素とホルムアルデヒドを組み合わせ新規炭素一炭素結合形成反応の開発を行う。初期の検討として、研究計画に記載した3つの反応に取り組み、反応条件の最適化を図る。具体的には、ラジカル前駆体や捕捉源の検討だけにとどまらず、置換基の立体効果や電子的要因を考慮する。さらなる検討として、初年度に得られた知見を基に他の多成分連結反応の検討を行う。時には、計算化学的視点からアプローチし反応条件を最適化する。
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Research Products
(7 results)
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[Presentation] Free-Radical Hydroxyalkylation Reactions : Trapping of HCHO by Carbon Radicals2012
Author(s)
Kawamoto, T., Nishida, Y., Fukuyama, T., and Ryu, I.,
Organizer
11th International Symposium on Organic Free Radicals, poster presentation (ISOFR-11)
Place of Presentation
Berne, Switzerland
Year and Date
2012-07-03