2013 Fiscal Year Annual Research Report
3次元ハイブリッドシミュレーションによる磁気リコネクションの乱流イオン加速
Project/Area Number |
12J10000
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
東森 一晃 東京大学, 大学院理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 磁気リコネクション / 乱流 / 粒子加速 / 温度異方性 / プラズマ波動 / レイノルズ平均モデル / 非一様性 / エネルギー変換効率 |
Research Abstract |
本研究の目的は、宇宙空間で普遍的にみられる乱流現象と磁気エネルギーの変換過程として重要な磁気リコネクションと呼ばれる現象の関連性に注目しつつ、粒子加速の物理解明に繋げることである。今年度は、粒子加速の前段階となる乱流生成ついて議論すると同時に、生成された乱流が全体のダイナミクスにどう寄与するかを調べた。全体のダイナミクスに関しては、乱流効果を組み込んだモデル計算を行った。 まず乱流生成について、重要な結論の一つはイオンの運動論効果が効くスケールでは、磁気リコネクションに伴ってできるジェットは不安定であり、自発的に乱流状態となることである。またその乱流状態への遷移の有無は初期のプラズマ温度に依存し、特にプラズマ温度が低い場合に乱流状態に発展してゆくことがわかった。この原因にっいては、様々な理論モデルと比較した結果、いくつかのプラズマ不安定の複合過程であることが示唆されている。リコネクションジェットでの自由エネルギーとなるのはイオンの温度異方性と、プラズマ全体の流れ(バルクフロー)の運動エネルギーであることがわかっている。そしてこれらを自由エネルギーとする不安定現象のうち、乱流生成のプラズマ温度依存性(シミュレーション結果)をコンシステントに説明できる候補として主に、温度異方性によって励起されるミクロなプラズマ不安定と、バルクフローを自由エネルギーとして発達するグローバルなモードの二つが考えられることがわかった。一方で乱流が存在する場合の磁気リコネクションのダイナミクス全体を理論的に理解する試みについても進めた。全体のダイナミクスにっいては、乱流モデルを組み込んだレイノルズ平均型のシミュレーションモデルを用い、発達した乱流が磁場のエネルギー変換効率の上昇に重要であることを示した。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Research Products
(6 results)