2012 Fiscal Year Annual Research Report
適応構造システムによる宇宙用展開アンテナの高精度化
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12J10078
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
佐藤 泰貴 東京工業大学, 大学院総合理工学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 適応構造システム / スマート構造 / 構造制御同時最適設計 |
Research Abstract |
宇宙用アンテナの鏡面を高精度に維持するためには, 適応構造システムによる鏡面形状制御が必要不可欠である. 本年度は, 文献調査, 適応構造システムを有するアンテナの概念, 最適設計ならびに実験検証を行った. 文献調査の結果, 近年のミッションで要求される鏡面精度を達成するためには, シェル若しくはソリッド鏡面が必要不可欠であることが明らかとなった. 適応構造システムを有するアンテナ概念の検討では, シェルとリブによって構成されるアンテナシステムを提案した. これは, 剛性の高いリブの位置にアクチュエータを配置することによって, 変形がグローバルとなるため, 少ないアクチュエータ本数によって形状制御が可能になるとともに, 剛性の低いシェルを鏡面に用いることによって, 小さいアクチュエータ出力によって形状制御が可能となるアンテナシステムである. 最適設計ならびに実験検証では, 単一の誤差モードを仮定するとともに, リブーシェルアンテナ鏡面の回転対称性を仮定した1/6要素モデルに対する検討を行った. 最適設計では, 鏡面誤差を目的関数, リブ/シェルの厚みならびにアクチュエータ配置を設計変数とし, それらを同時に最適化するプログラムを構築した. その結果, 同時最適設計で得られる鏡面誤差は, それらを個別に最適化した鏡面誤差よりも十分に小さくなったため, 同時最適化の有効性が示された. また, 最適設計したものを実際に制作し, 形状制御実験を行った結果, 設計時の数値解析結果と実験結果がほぼ一致したため, 最適設計の実現性可能性が示された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定した研究計画通りに成果を出すことができたため.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度はアンテナの1/6要素モデルに対して単一の誤差モードを扱った研究である. 一方, 実際はアンテナ全体に対して特定かつ複数の誤差モードを制御する必要があるため, 来年度取り組んでいきたい.
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Research Products
(1 results)