2012 Fiscal Year Annual Research Report
単一細胞の超高精度・超高速連続操作のためのオンチップロボットの開発
Project/Area Number |
12J10106
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
佐久間 臣耶 名古屋大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | マイクロロボット / マイクロ流体チップ / ロボチップ / 変位縮小機構 / 力学的特徴量計測 / 卵子 |
Research Abstract |
微細加工技術の発展とともに,単一細胞・微生物の特徴量計測はバイオテクノロジー分野で大変重要になってきている.特に,力学的特徴量計測のためには,細胞を単一細胞レベルで大量に操作可能な技術開発が必要である.我々は,ハイスループット処理が可能なマイクロ流体チップ内で,マイクロロボットを非接触に駆動し,単一細胞の力学的連続計測を目的としている.24年度は,磁気駆動マイクロロボットの開発を行い,さらにマイクロ流体チップを組み合わせたロボット統合型マイクロ流体チップ(ロボチップ)を開発することで,細胞の連続力学的特徴量計測を行った.開発したロボチップには,マイクロ流路内で単一細胞を変形させるためのプローブと,その時の細胞の反力を計測するための力センサを有する.プローブの駆動には,高い操作力で駆動可能な磁気駆動を用いており,チップ外部に配置した電動ステージ上の永久磁石により非接触駆動を行った.非接触駆動方式により,バイオ応用のためのチップのディスポーザブル化が可能である.さらにプローブの位置決め精度を向上させるために変位縮小機構を搭載することで,従来より約10倍高い位置決め精度(約200nm)を実現した.細胞の力学的特徴量測定は,顕微鏡に取り付けた高速ビジョンにより行い,ポンプおよびプローブをリアルタイムで制御することで,チップ内の細胞の個々の細胞に対して位置決め・計測を自動で行うことが可能である.構築した測定システムを用いて,ウシ卵子の力学的特徴量連続計測を行い,20秒/個のハイスループット計測に成功し,細胞変形時の応力緩和現象を用いて,細胞の粘弾性特徴量計測に成功した.本手法は,細胞の力学的特徴量のデータベース化だけでなく,細胞の品質評価,発生評価に貢献し得る.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
今年度計画としていた,プローブおよびカセンサを有するチップ開発を終了し,次年度計画の画像フィードバックを用いたフローコントロールを用いた細胞位置制御,細胞の自動連続力学的特徴量計測システムを構築までを達成しているため。
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度構築したシステムを用いて,藍藻や珪藻などの水生微生物に力学刺激を与えその応答解析を行う。また,細胞の力学的特徴量のデータベース化のための特徴量について検討を行い,細胞の品質評価,発生評価方法の検討を行う.
|
Research Products
(4 results)