2012 Fiscal Year Annual Research Report
PBD相互作用阻害に基づくATP非競合型PLK1阻害薬の創製
Project/Area Number |
12J10146
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
三田 裕介 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | polo-like kinase 1(Plk1) / ATP非競合 / ペプチド等価体 / タンパク質間相互作用 |
Research Abstract |
本年度の研究開始当初はPLHSpTペプチド等価体の母核としてビフェニル化合物を母核として、化合物の構造展開を行い、PLHSpTペプチドとPlk1との相互作用を評価するELISA系にて活性評価を行った。しかしながら活性化合物を得ることが出来なかった。そこで新たなペプチド等価体の母核として、ターフェニル化合物を設計した。ターフェニル化合物がPlk1とPLHSpTペプチドの相互作用を阻害することを期待して活性評価を行ったが、当初の予想に反して、Plk1とPLHSpTペプチドの相互作用が増強された。特にターフェニル骨格にニトリル基およびテトラゾール基を有する化合物に強い活性が見られた。またPlk1のキナーゼ活性を評価するELISA系で評価した結果、ターフェニル化合物はATP非競合的にPlk1阻害活性を示すことを見出した(IC50 151 μM)。この結果から、本研究で得られたターフェニル化合物はPLK1と相互作用し、何らかのコンフォメーション変化をもたらすことで、PLHSpTペプチド認識能の向上とキナーゼ活性を阻害する可能性があると解釈している。 本年度の研究成果として、ATP非競合的なPlk1阻害活性を示すターフェニル化合物を見出した。これは一般に選択性が得ることが難しいとされるATP競合型キナーゼ阻害薬とは異なる作用機序を持つものであり、Plk1特異的なキナーゼ阻害活性獲得を期待させる結果である。これはキナーゼ阻害薬の医薬応用上問題になるキナーゼの選択性、およびそれに付随する予期せぬ副作用を回避する手法として有用であると考えている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請者はターフェニル化合物の構造展開を行うことで、当初期待したPLK1-PLHSpTペプチド相互作用を阻害するメカニズムとは異なるものの、非ATP競合型でPlk1キナーゼ活性阻害薬を見出すことに成功した。これは当初想定した研究計画をおおむね順調に達成していると考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後はターフェニル化合物のさらなる構造展開を行い、高活性化を目指すとともに、細胞系でのPlk1の挙動および細胞生存率に関して研究を進めて行く予定である。
|
Research Products
(3 results)
-
-
-
[Journal Article] Specific Inhibitors of Puromycin-Sensitive Aminopeptidase with a 3-(Halogenated Phenyl)-2,4(1H,3H)-quinazolinedione Skeleton2012
Author(s)
Matsumoto, Y., Noguchi-Yachide, T., Nakamura, M., Mita, Y., Numadate, A. and Hashimoto, Y.
-
Journal Title
Heterocycles
Volume: 86
Pages: 1449-1463
DOI
Peer Reviewed