2013 Fiscal Year Annual Research Report
PBD相互作用阻害に基づくARP非競合型PLK1阻害薬の創製
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12J10146
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
三田 裕介 東京大学, 大学院薬学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | polo-like kinase 1 / ATP非競合 / ペプチド等価体 / タンパク質間相互作用 / コバレントドラッグ |
Research Abstract |
本研究課題では、PLHSpTペプチド等価体を設計・合成することにより、polo-like kinase 1 (Plk1)におけるタンパク質間相互作用を阻害するで、Plk1のキナーゼ活性を阻害する化合物を創出することを目標とした。昨年度までの研究成果として、設計したターフェニル化合物が、予想に反してPlk1とPLHSpTペプチドとの相互作用を増強し、またPlk1のキナーゼ活性をATP非競合的な形式で阻害することを見いだした。上記結果は昨年度に論文報告済みである(Y. Mita et. al., Bioorg. Med. Chem. 2013, 21, 608)。 本年度では、本研究の次なる段階として、ターフェニル化合物における上記Plkl阻害活性の様式を明らかにすべく、化合物のコバレントドラッグ化を計画・実行した。コバレントドラッグとは、化合物の分子内に共有結合性を有する構造を持ち、タンパク質等の標的分子と共有結合を形成する低分子化合物の総称である。コバレントドラッグのメリットとしては、①potencyの向上、②共有結合を形成する残基の有無による選択性の獲得、等が期待され、本研究においても、ターフェニル化合物をコバレントドラッグ化するで活性向上が期待された。加えてコバレントドラッグ処理したPlk1をMS等で解析することで、ターフェニル化合物のPlk1に対する結合部位が明らかになることが期待され、これはPlk1に対する非ATP競合型のキナーゼ阻害を示す新規作用点を提案できる可能性があった。 ターフェニル化合物結合部位近傍にCys残基が存在することを期待し、コバレントドラッグ化の官能基にはアクリルアミド構造を採用した。またアクリルアミド槽造の導入部位は、比較的活性に影響が少ないと考えられた中央ベンゼン環から伸びる水酸基部位に決定し、合成ルートの構築の後、目的化合物を得た。目的化合物のPlk1阻害活性を評価した結果、化合物にPlk1阻害活性が保持されることは見いだしたものの、大幅な活性向上は見いだせていない。また、化合物の共有結合性に関する評価は、限外濾過膜処理を用いた活性評価を検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
すでに申請者はターフェニル化合物の構造展開を行うことで、当初期待したPLK1-PLHSpTペプチド相互作用を阻害するメカニズムとは異なるものの、非ATP競合型でPlk1キナーゼ活性阻害薬を見出すことに成功している。また化合物をコバレントドラッグ化することを試みて、その活性の向上、選択性の向上はもとより、その作用点の解明にも取り組もうとしている。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Research Products
(1 results)