2013 Fiscal Year Annual Research Report
減数分裂の連続的な分裂期を保証するAPC/C制御機構の解析
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12J10270
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
青井 勇樹 東京大学, 大学院薬学系研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 減数分裂 / 細胞周期 / APC/C |
Research Abstract |
有性生殖はほぼ全ての真核生物が次世代ヘゲノム情報を受け渡す際に用いる普遍的なプロセスであり、減数分裂は、その過程の中で配偶子(卵や精子)を形成するためにおこなわれる特殊な核分裂様式である。減数分裂周期では核分裂が2度連続して起き、染色体数が半減した配偶子が形成される。この減数分裂に特有の細胞周期制御を達成するため後期促進複合体APC/Cは特殊な制御を受けるが、その仕組みの詳細は不明である。分裂酵母を用いた減数分裂におけるAPC/Cの制御機構の研究内容のうち、本年度に論文として発表した次の2点の研究項目ついて述べる。 (1)fzr1およびsms5/cuf2, 遺伝子の欠損株では3回目の分裂期が起きて配偶子形成に異常が生じるが、その理由は不明であった。昨年度から継続しておこなっている研究において、転写因子Sms5/Cuf2は減数分裂を終了させるためにAPC/C活性化因子fzr1遺伝子の転写を活性化することでサイクリンCdc13の分解を促進することがわかった。この仕組みにより核分裂の連続する回数は2回に限定されるというモデルを提唱した。 (2)これまで減数分裂における紡錘体チェックポイント(SAC)の分子機構の多くは不明であった。そこでまず、薬剤超感受性の分裂酵母株とケミカルインヒビターを用いて、減数第一分裂期および第二分裂期に細胞を停止させながらSAC構成因子の細胞内挙動をライブイメージングする実験系を構築した。次に、Ark1キナーゼのインヒビターを用いた解析から、SACの活性化に必要なSAC構成因子Bub1タンパク質の動原体局在にはArk1キナーゼ活性が必要であることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
まず、減数分裂の分裂する回数を2回に限定する仕組みについて計画通り論文に発表した。また当初の計画には含まれていなかった減数分裂における紡錘体チェックポイントの制御機構について、ケミカルバイオロジーとライブイメージングを用いた実験系を構築し、解析結果を論文発表した。当初の計画以上に大きな進展があったと判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Research Products
(3 results)