2013 Fiscal Year Annual Research Report
ビスマス超薄膜の表面状態におけるスピン偏極伝導の測定
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12J10290
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
東野 剛之 東京大学, 大学院理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 金 / 電気伝導 / 異方性 / 擬1次元 |
Research Abstract |
Si(110)-2×5-Auは金原子がSi(110)表面上に鎖状に並んだ構造を持っている。他の擬1次元金属表面の系と比べて原子鎖間の距離が広いため鎖間の相互作用が弱い事が期待される。実際角度分解光電子分光からも原子鎖に垂直方向の分散はほとんどなく、擬1次元金属的な電子状態を持つ事が報告されている。そのため他の擬1次元系よりもより強い1次元性を示す事が期待される。 そこでSi(110)2×5-Auについて様々な端子の配置で電気伝導測定を行った。RHEEDによる回折像から比較的試料の質が悪いと考えられる試料においては、直線4端子法では探針の間隔依存性がなく、端子を配置する向きによる抵抗値の異方性がない事が分かった。この結果は過去の研究で測定されたSi(111)-4×1-Inなどと同様に異方的な2次元系と解釈する事ができる事が分かった。正方4端子法により原子鎖に平行な方向と垂直な方向の電気伝導度の異方性を測定する事に成功した。正方形を回転させる事で原子鎖に平行方向と垂直方向で電気伝導度に3.8倍の異方性がある事が分かった。一方、RHEEDによる回折スポットが明瞭であり質の良い試料においては、直線4端子法で測定した抵抗値に異方性が見出せる点や抵抗値が端子の間隔に依存する点で過去に研究されてきた系とは明確に異なる振る舞いを示す事が分かった。さらに探針間隔を100μm程度以下にすると探針間隔を狭める事で抵抗値も小さくなる振る舞いが観察できた。これはSi(110)-2×5-Auの持つ強い1次元性を反映した結果だと考えらえる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度が最終年度である。 Si(110)-5×2-Auにおける電気伝導度の異方性の検出に成功した。 探針の間隔が狭い時に系の1次元性によるものと考えられる振る舞いの検出に成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Research Products
(1 results)