2014 Fiscal Year Annual Research Report
筋空間における類似性を活かした道具使用ダイナミック運動のロボットによる実現
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12J10392
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西川 鋭 東京大学, 情報理工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 筋骨格系 / 棒高跳び / ロボット / ダイナミック運動 / 出力特性 / 粘弾性 / 二関節筋 / 姿勢特性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、身体外物体の特性活用によるロボットの運動能力拡大として、筋骨格ロボットによる道具使用ダイナミック運動実現を目的とした。運動生成において、類似運動からの要素転用を図った。道具使用ダイナミック運動として棒高跳びを取り上げ、その実現法を調べた。 前年度に続き、筋トルク―角度特性に着目し、角度依存モーメントアーム機構(ADMA)が垂直跳び高さに与える効果をシミュレーションで調べた。結果、股関節、膝関節、足首関節の順で高い跳躍を可能とするトルクピーク角度が関節限界から可動域中程に移動した。ここで跳躍動作中の姿勢によるトルク発揮有効性の差の影響が示唆された。これは、似た姿勢を通る運動間での適切な出力特性の共通性を示唆する。そこで、棒高跳びロボット設計のために、似た動作の鉄棒の逆上がりにおいてADMA導入の有効性を確認した。 棒高跳びにおける筋骨格系の働きとして、粘弾性が跳躍高さ安定性に与える効果を調べた。結果、粘弾性ありモデルが粘弾性なしモデルよりも外乱による誤差が小さく、外乱の種類により単関節粘弾性、二関節粘弾性の有効性が異なった。これは、棒高跳びの高さ安定性向上への筋骨格系の粘弾性の有用性、外乱の種類による単関節筋、二関節筋の賦活の使い分けの重要性を示唆する。 棒を操作する関節腕を持つロボットは身体重心が棒先端から離れるため、この要素を含むモデルにより曲げ動作が棒高跳びに与える効果を再検討した。このモデルにおいても曲げ動作による跳躍高さ向上が確認され、棒先端に質点のあるモデルと比べて遅い動作切り替えの有効性が確認された。 知見を統合し、筋骨格二腕ロボットを開発した。棒高跳び実験により切り替えタイミングの跳躍方向制御への有効性を示し、ロボットは最大1.72mの棒高跳びを実現した。この成果はロボットによる身体・環境複合系を活かす適応的運動実現に向けた重要な学術的・技術的貢献である。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(7 results)