2013 Fiscal Year Annual Research Report
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12J10432
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
坂東 加南 東北大学, 大学院歯学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 金属アレルギー / レジン / アジュバント効果 / IL-1 |
Research Abstract |
レジンモノマー(RM)によるニッケルアレルギー促進効果の検証 アクリルレジンは工業的応用のみならず、医薬品、ジェルネイルによる爪化粧など広く応用されている。これらレジンの応用に伴い、レジンが原因と思われる接触過敏症が報告されるようになった。しかしRMは、細胞刺激性は強いが、アレルゲンとしての強さは良く知られている接触過敏症のハプテンとにくらべると極めて弱い。いままで、RMが、ニッケルアレルギーを促進することがわかっており、今回は、アレルギーを誘導するニッケル濃度への影響およびインターロイキン-1 (IL-1)の関与について検討した。感作相において、アレルギーを誘導するニッケル濃度は、RMを併用することで、ニッケル単独に比較して、約1000倍低下した。また、惹起相において、アレルギーを誘導するニッケル濃度は、RMを併用することで、ニッケル単独に比較して、約200-2000倍低下した。IL-1ノックアウトマウスを用いた細胞移入実験により、RMによって促進されたニッケルアレルギーの感作相、惹起相の両相にIL-1が関与することがわかった。 世界中ですでに多くのひとが、ニッケルに感作されていると考えられており、感作されたひとの血中、汗、唾液中でそれぞれ、0.1~1mM, 10nM~1μMおよび~1μMの濃度で検出されている。今回の実験結果をひとにてらしあわせると、ニッケルに感作されているひとが、RMに接触することにより、ニッケルアレルギーを発症する可能性がある。つまり、今まで、RMに接触して発症したレジンアレルギーは、もしかしてRMがニッケルアレルギー(または他のアレルギー)を促進している可能性がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の実験計画通りに進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
A. 金属アレルギー 当初の計画通りに推進しているため、今年度にえられた結果をもとに、さらなる詳細な解析を行っていく。 B. レジンによるアジュバント効果 当初の実験通りに、レジンによる促進効果が確認することができた。来年度以降は、レジンアレルギーとIL-1とのさらなる解析を行う。
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Research Products
(2 results)