2012 Fiscal Year Annual Research Report
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12J10663
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
王 [ユ] 名古屋大学, 情報科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 動き解析 / 映像処理 / 機械学習 / 人物検出 |
Research Abstract |
本年度は主に時空間における人物ボリュームの抽出と,その抽出結果を用いて複数人物が存在するダイナミック・シーンから動作認識技術を開発しました.具体的な実績は,以下の三点となります. (1)異なる人物の動作特徴を個別に抽出するために,歩行者検出技術を拡張・利用し,個々の人物を含むボリュームを映像から抽出する手法を開発した.この手法は基本的に歩行者検出技術とトラッキング技術との組み合わせにより実現するが,平滑化手法を導入してオークルージョン等の影響を最大限に取り除くことにした.さらに,人物別のボリュームに対して,動作の時空間特徴をより正確に表現するための新しい特徴Histogram of Bundled Pose(HBP)を提案した.この特徴は人物のポーズ及びボーズの変化を直接に表現することができるため,導入することにより,行動認識の精度を大きく向上することができた. (2)距離構造学習(Distance Metric Learning)に基づくイベント解析手法を開発した.この手法は教師付き学習及び教師なし学習の長所を有効利用することが可能であるため,非常に少ない学習データと少ないラベリング作業でイベントを高精度に分類することを実現した.提案手法を保育園の監視映像に適用したところ,園児の日常生活記録映像から数種類のメインイベント(集団活動,遊び,食事,昼寝等)を高精度に検出・認識することができた. (3)複数人物の行動を認識するために,人物の同定が必要不可欠である.我々は複数人物が登場するシーンから個々の人物を効率的かつ高精度に同定するための局所距離比較法を開発した.具体的には,人の外観をマルチモデル分布として扱い,有効なコスト・ファンクションを定義すると同時に,局所距離比較法を用いて従来研究より安定した人物の同定を実現した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は主に映像における複数人物の動作解析について研究を行った.具体的には,(1)距離構造学習に基づくイベント認識手法,また,(2)ミドルレベルの時空間特徴HBP,さらに,(3)同時に局所距離比較に基づく人物同定手法を開発した.成果として,難関の国際会議を含め,学術論文3篇,国際会議論文2篇を発表することができた.よって,本年度の研究はほぼ予定通り進んだ.来年度に予定している人のインタラクション認識技術の開発に必要な準備を行ったといえる.
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Strategy for Future Research Activity |
25年度はインタラクションの認識に主眼を置く.機械学習の手法を導入して,データからグラフィックモデル(GM)を学習する.さらに,学習したGMを用いてインタラクションの認識を実現する.具体的には,まず,重要なインタラクション関係(共起,因果,無関係等)を定義する.次に,ラベリング済みの大量な学習データを準備し,それを用いて,GMの各パラメータを学習する.モデルパラメータを学習した後,任意の2つの動作から特徴を抽出して,様々な関係の確率を計算する.高い確率をもつ動作関係は候補仮説として保留される.このステップで構築するグラフィックモデルも本研究のブレークスルーの1つになる.
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