2014 Fiscal Year Annual Research Report
シャペロン分子による立体制御を利用した新規不斉触媒の開発
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12J10748
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松澤 彰信 東京大学, 薬学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 不斉触媒 / π-π相互作用 / 全合成 / 含フッ素化合物 / アルドール反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
私は以下に述べる戦略に基づいて配位子・シャペロンを設計し、合成を行った。 ①遷移金属を用いたルイス酸・ルイス塩基相互作用を用いる戦略 ②水素結合を用いる戦略 ③π-π相互作用を用いる戦略 これらの内①と②の戦略では良好な結果が得られなかったものの、③の戦略に基づいて合成したシャペロン分子とアミド配位子がπ-π相互作用を介して比較的強固な複合体を形成することを見出した。そこで触媒的不斉マンニッヒ型反応等、種々の不斉触媒反応に本触媒系の適用を試みたが、いずれの場合でも不斉誘起は観測されなかった。 一方これらの研究の中で(A)チオプロピオンアミドの触媒的不斉アルドール反応がメシチル銅・リン配位子複合体により触媒されること、(B)α位にトリフルオロメチル基を有するアミドの触媒的不斉アルドール反応が銅触媒下円滑に進行することを発見した。そこで(A)の反応の有用性を示す目的でthuggacin Bの全合成を行い、また(B)の反応に関してはより詳細な反応条件の検討を行った。その結果thuggacin Bの全合成はチオアミドのアルドール反応を用いることにより効率的な合成を達成することができ、チオアミドのアルドール反応が広く用いられているEvansアルドール反応に取って代わり得る有用な反応であることを実証することができた。またトリフルオロメチル基を有するアミドのアルドール反応では世界で初めて反応を触媒化することに成功し、また生成物を高い立体選択性で得ることができた。本知見は今後の含フッ素化合物の合成研究に大いに寄与すると考えられる。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)