2014 Fiscal Year Annual Research Report
月裏側SPA盆地の鉱物・岩石分布から推定する月マントル組成
Project/Area Number |
12J10821
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
上本 季更 東京大学, 大学院理学系研究科, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 月マントル / South Pole-Aitken盆地 / マントル化学組成 / 巨大衝突盆地 / インパクトメルト / 岩石の結晶分化作用 / ジャイアントインパクト説 / マグマオーシャン |
Outline of Annual Research Achievements |
「月最大の衝突盆地South Pole-Aitken(SPA盆地)の新しい岩石分布マップを完成させ、このマップから盆地形成の衝突による地殻掘削領域、および地殻下の月マントルが衝突により溶融したとされるインパクトメルトの領域と深さを推定する。そして、観測データから算出したインパクトメルトの鉱物・元素組成を用いて、未だ明らかにされていない月マントルの組成を解明し、月の成因および進化の議論に繋げる」という内容を研究目的とし、研究を進めてきた。主に使用した観測機器は、SELENE「かぐや」搭載のマルチバンドイメージャ(MI)である。具体的に行ったことおよびその結果については、下記の通りである。 1.SPA盆地内での地殻を構成する斜長岩のマッピングを行い、SPA盆地形成時に地殻がすべて掘削され、その下のマントル物質が現在分布している可能性の高い面は、盆地中央部であることを明らかにした 2.斜長岩以外の岩石のマッピングをし、SPA盆地全域の岩石分布図を作成した。特に1から、マントル物質露出の可能性が高い盆地中心部を詳細に調査し、マントル物質が溶融したと考えられるインパクトメルトの露出領域を推定した 3.2と元素組成マップ(FeO、TiO2)、地形情報(かぐやLALT)のデータとを照合させることで、各岩石層の層厚、層序を把握し、SPA盆地の地下の地質構造を推定した。その結果、インパクトメルトは少なくとも上下2層に分化しており、上は約7km、下は少なくとも8kmあることがわかった 4.インパクトメルト露出領域(分化した上層)および下層が露出する中央丘の元素・鉱物組成を把握するとともに、最新のSPAのインパクトメルトの分化モデルと本研究の内容とを比較し、観測とモデルを照合させることで、月マントル物質の元素・鉱物組成を検証した。
|
Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(3 results)