2012 Fiscal Year Annual Research Report
漆の長期安定性に及ぼす影響因子の解明と新規な機能性天然高分子材料の創製
Project/Area Number |
12J10856
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
兼橋 真二 明治大学, 理工学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 漆 / 高分子 / バイオマス / 機能材料 / 架橋 / 再生可能資源 / 塗料 / 劣化 |
Research Abstract |
本年度は以下の項目について、研究を遂行した。 (1)基準漆膜の調製と基礎物性 ベースの漆膜として中国産の漆膜を選定した。アプリケータを使用して膜厚60μmの塗膜をガラス基板上に引き、温度20度湿度70%に調整されたムロで乾燥、硬化させ塗膜を得た。 得られた塗膜の構造解析(赤外吸収スペクトル)、物性測定(膜密度、含水率、接触角、色度、熱重量分析、示差走査熱量測定)、構造観察(走査型電子顕微鏡観察)を行った。 次年度、この漆膜を劣化させ、どのように構造および物性が変化するか解析していく。 (2)漆劣化メカニズムの解明 漆劣化の関連研究として、漆液中の水球サイズと塗膜の光沢度および紫外線劣化特性について研究した。漆液中の異なるサイズの水球を種々の撹拌方法で調製し塗膜を得た。得られた塗膜の紫外線耐光性試験より、漆液中の水球の大きさと紫外線耐久性との間に興味深い関係があることが明らかになった。 (3)新規な天然高分子材料の創製 漆の主成分であるウルシオールの類似体である天然資源のカシュナッツシェルリキッド(CNSL)に着目し、CNSLを出発物質とした機能性高分子材料の開発と天然漆の再現を目的とした合成漆の創製に取り組んだ。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画通り順調に進んでいる。また海外での研究活動に積極的に取り組んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画に従い、本年度以降は漆の劣化メカニズムの解明につながる劣化した漆膜の構造解析を進める。 また漆や漆の類似体であるバイオマスである再生可能資源を利用した新規な機能性高分子材料の開発も進める。 現時点で大きな問題点はないと思われる。
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Research Products
(61 results)
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[Presentation] Synthesis, characterization, and gas permeation property of diacetylene-containing polymer membrane derived from ferulic acid2012
Author(s)
長澤俊明, 小林美穂, 李誠〓, 中村真也, M.F. Berstain, 佐藤修一, 兼橋真二, 小川孟, 永井一清
Organizer
The 7th Conference of Aseanian Membrane Society
Place of Presentation
Busan, Korea
Year and Date
2012-07-06
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