2012 Fiscal Year Annual Research Report
ガラス構造制御による環境調和型KNbO3結晶化ガラスの創製
Project/Area Number |
12J10912
|
Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
木岡 桂太郎 長岡技術科学大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | ガラス / 結晶化ガラス / KNb03 |
Research Abstract |
本研究の研究目的は、優れた非線形光学特性・強誘電性を示すKNbO3を、ガラスの結晶化法により作製することである。 KNbO3は、単結晶の育成時やセラミックスの焼結時にK20が揮発し、組成変動が起こるため、合成が非常に困難である。ガラスの結晶化法は、通常のセラミックス焼結法よりも低温・短時間で焼結が可能であるという特長があるが、これを利用することでK20の揮発を抑え、KNbO3を簡便に合成できると考えた。 研究実施計画では、KNbO3が析出する温度よりも低温で析出する、準安定相の結晶構造を明らかにすること、そして、ガラスから最終的にKNbO3が析出するまでの結晶化挙動の解明に焦点を当てていた。 平成24年度は、主に後者の結晶化挙動の解明を試みた。評価には、主にX線回折(XRD)測定、試料断面の走査型電子顕微鏡(SEM)観察、示差熱分析(DTA)を用いた。その結果、準安定相はガラスの表面から析出し始め、これよりも高温でKNbO3がやはり表面から析出し始めることを確認した。KNbO3が析出し始めた試料のXRD測定を行ったところ、準安定相に帰属される回折ピーク強度が弱まることを確認した。この実験とは別に、準安定相の結晶化量を多くすることでKNbO3の析出量も多くなることを確認した。これらの結果から、準安定相はKNbO3の前駆体結晶であると結論づけた。 研究活動の一環として予定していた、国際学会、国内学会で研究発表を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実施計画に記載のとおり、ガラスからKNbO3が結晶化するまでの詳細な結晶化挙動を明らかにしたため、おおむね順調に進展していると思われる。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は、KNbO3の結晶化よりも低温で析出する準安定相の結晶構造を明らかにする予定である。研究の推進方策は、準安定相が析出した試料について、透過型電子顕微鏡(TEM)観察の電子線回折像からまず結晶系を決定し、その後モンテカルロシミュレーション法により原子位置を特定する。
|
Research Products
(3 results)