2013 Fiscal Year Annual Research Report
ガラス構造制御による環境調和型KNbO3結晶化ガラスの創製
Project/Area Number |
12J10912
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
木岡 桂太郎 長岡技術科学大学, 工学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | ガラス / 結晶化ガラス / KNbO3 |
Research Abstract |
本研究の研究目的は、優れた非線形光学特性・強誘電性を示すKNbO3を、ガラスの結晶化法により作製することである。 KNbO3は、単結晶の育成時やセラミックスの焼結時にK20が揮発し、組成変動が起こるため、合成が非常に困難である。ガラスの結晶化法は、通常のセラミックス焼結法よりも低温・短時間で焼結が可能であるという特長があるが、これを利用することでK20の揮発を抑え、KNbO3を簡便に合成できると考えた。 研究実施計画では、KNbO3を効率的に得る手法を確立すること、そして準安定相の結晶構造の解析に焦点を当てていた。 平成25年度は、KNbO3の準安定相の核形成が最も盛んに起こる温度を、示差走査熱量計(DSC)を用いて決定した。この結果、40K20-25Nb205-25B203-10A1203のガラス組成において準安定相の核形成は490℃で最大になることを見出した。ガラスの結晶化は、結晶核形成→結晶成長という二段階のプロセスを経る。結晶化ガラスの透明性、配向性などを得るには、これらの結晶化挙動を制御することが重要である。従って、核形成温度を精密に明らかにすることは、所望の結晶化ガラスを設計する上で重要な情報となる。 準安定相の構造解析について、配向結晶の観察を、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて行う予定であったが、試料作製の段階でイオンビームによる薄片試料の切り出しを行った際、結晶がアモルファス化してしまい、観察に適した試料が得られなかった。 研究活動の一環として予定していた国際学会で研究発表を行った。 また、来年度中にこれまで得られたKNbO3の結晶化に関する結果を、国際雑誌に投稿する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Research Products
(1 results)