2013 Fiscal Year Annual Research Report
電磁イオンサイクロトン波動の非線形解析に基づくジオ・スペースプラズマ環境の研究
Project/Area Number |
12J10930
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
小路 真史 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 特任助教
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Project Period (FY) |
2012 – 2014-03-31
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Keywords | 地球内部磁気圏 / 非線形プラズマ波動 / 波動粒子相互作用 / 大規模シミュレーション / EMICトリガード放射 / 高エネルギーイオンダイナミクス |
Research Abstract |
電子流体・イオンハイブリッドシミュレーションによって内部磁気圏の赤道域をモデル化し、電磁イオンサイクロトロン(EMIC)トリガード放射の解析を行った。このEMICトリガード放射は、強い非線形波動粒子相互作用によって周波数上昇を起こしたEMIC波であり、内部磁気圏における高エネルギープロトン、及び相対論的電子の消失に関わっていることが明らかになりつつある。本研究ではスーパーコンピュータによって、EMICトリガード放射による非線形波動粒子相互作用を再現し、内部磁気圏プラズマ環境へのインパクトを明らかにすることである。プロトン温度異方性によって自発的に励起するトリガード放射を再現し、多様なスペクトルの形成過程について解析を行った。トリガード放射のコヒーレンシーは、外部磁場の勾配が大きくなるに連れて高くなることが、パラメータ解析の結果明らかとなった。さらに、コヒーレントなトリガード放射の場合、位相空間中において粒子捕捉が効率よく起こり、結果として加速効率が高くなる事を示した。また、インコヒーレントなEMIC放射は、あらゆる空間で同時多発的に発生することから、粒子散乱の時間スケールが早まることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
リアルスケールハイブリッドシミュレーションにより、EMIC波のスペクトルの差によって現れる内部磁気圏高エネルギー粒子の加速・散乱の違いが明らかに出来た。また、衛星観測研究チームとの共同研究により、これまでに報告が少なかったトリガード放射が相次いで発見できたこと、さらに理論的に示唆されている詳細なスペクトルの構造が発見できたことにより、当初の研究計画以上に進展したと評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Research Products
(7 results)