2013 Fiscal Year Annual Research Report
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12J10970
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西山 義剛 東京大学, 大学院薬学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 全合成 / ジテルペノイドアルカロイド / デヌダチン骨格 / レペニン / Diels-Alder反応 / Mannich反応 / ビシクロ骨格 / 立体制御 |
Research Abstract |
ジテルペノイドアルカロイドには、複雑な骨格を有する天然物が多く属する。その一部の天然物に共通するデヌダチン骨格と呼ばれる構造は、ピシクロ[2.2.1]骨格やビシクロ[2.2.2]骨格を含む極めて複雑な構造である。生理活性の強いアコニチン型の骨格へと化学変換ができることが知られており、非常に魅力的な標的化合物であるにも関わらず、その構造の複雑さ故に、デヌダチン骨格を有する天然物の全合成は未だ達成されていない。本年度、私は、すでに前年度に達成したラセミ合成経路を基とし、不斉全合成を目指した。しかし、2つのオルト位に置換基を有するフェニル酢酸誘導体に対して種々の不斉アルキル化を試みたが、十分に高い収率および光学過剰率を達成できなかった。また、キラルなアリルアルコールを縮合させて得たエステルに対するIreland-Claisen転位反応により、分子内にて不斉アリル化を行う検討も行ったが、良好な結果を与えなかった。1つのオルト位の置換基を除いた基質では不斉アリル化が進行し、後にもう1つの置換基を導入することで、形式不斉全合成を達成することができた。しかし、ベンゼン環上への置換基の導入などに多段階を要したため、抜本的な合成戦略の見直しを行った。その結果、乳酸メチルを不斉源とし、また、カスケード型のClaisen転位反応および分子内Friedel-Crafts反応を活用する新規な合成経路を確立することができた。これにより、レペニンの不斉全合成を達成することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画の通りに不斉アルキル化反応を行うことはできなかったが、新たな合成戦略により、不斉全合成を達成することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
まずは、レペニンの合成経路のさらなる効率化を行う。類縁体合成に耐えうる効率的な合成経路を確立した後に、レペニン以外のジテルペノイドアルカロイドの合成研究を行う予定である。
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Research Products
(1 results)