2013 Fiscal Year Annual Research Report
触媒的環化付加反応を基盤とする新しい精密重合手法の開拓
Project/Area Number |
12J10983
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
杉山 雄樹 神奈川大学, 工学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | アルキン環化付加 / 連鎖重合 / コバルト触媒 / 触媒的重合反応 |
Research Abstract |
1. AB型モノマー連鎖環化付加重合 : 昨年度までに, モノマーの電子的及び, 立体的要因と重合速度の関係を明確にすることによって, ランダム~成分勾配型~ブロック共重合体までの範囲の基質構造による重合制御を確立している。本年度は, 本重合系による制御され且つ官能基化された高分子合成を目的とした, 新規モノマー設計・合成を行い, 本重合法による, 機能性高分子合成への基礎的知見が得られた。また, 本重合反応拡張を目的とした, 他の代表的なアルキン[2+2+2]環化付加触媒の適用範囲について調査を行った。その結果, 連鎖型重合の実現には本法で用いているコバルト触媒系が重要であり, ロジウム触媒系にも一定の可能性があることを明らかにした。2. A_2+B_2およびAB_2型モノマーの選択的交差環化付加による直鎖および多分岐高分子の合成 : 昨年度までに, 交差環化付加による直鎖および多分岐高分子の合成を行っている。しかし、その解析手段として得られた高分子の<13>^C NMRから算出しているため, 必ずしも解析が容易でない。今後, 分岐度の予測・制御の体系化へ向け様々検討を行うにあたり, 様々なモノマーに対して, より一般性のある解析, 主確さ及び迅速な手段が必要であると考え, 本年度は, 分岐度算出を行う手法について見直し, 再度モノマーの設計を行った。その結果, 完全分子間型環化付加反応による分岐高分子合成を検討し, モノマーモデル反応での生成物組成比が重合反応により得られる分岐高分子の分岐度の予測に有用であること明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の研究目的が着実に達成されつつあるとともに, 本触媒系以外にも一定の可能性が示唆された。研究は全体として期待した通りに進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
(i)AB型モノマー連鎖環化付加重合 : 本年度までに得られた多くの知見を基盤として, 本重合系での官能基を有するモノマーの重合による官能基化された機能性高分子合成を行っていく。また, 本触媒系以外への適用範囲拡張により, 触媒的環化付加精密重合の今後の発展に寄与できるものと考えてきる。(ii)A_2+B_2およびAB_2型モノマーの選択的交差環化付加による直鎖及び多分岐高分子の合成 : 本研究を基盤に今後, 分岐度の予測や制御の体系化が実現できると考えられる。また, 上記の解析手法を用いることで, 他の重合反応を用いた, 分岐度の算出が困難であった多分岐高分子においても可能で解析手法の一つとして, 提案できるものと考えている。
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Research Products
(4 results)