2013 Fiscal Year Annual Research Report
明治立憲君主国家形成期における国民国家の成立-シュタイン国家学を中心に-
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12J11004
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
松居 宏枝 お茶の水女子大学, 大学院人間文化創成科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ローレンツ・フォンシュタイン / Lorenz von Stein / シュタイン講義 / シュタイン詣で / オーストリア・ハンガリー帝国 / ドイツ帝国 / 外交 / 公使 |
Research Abstract |
研究代表者は、主に二つ軸をもって研究を遂行している。まず一つが、「国家構想」と「外交関係」を架橋する対象として、ローレンツ・フォン・シュタインに着目する研究である。そして二つ目が、日本駐箚の欧州各国公使、または在欧の日本公使の私文書を利用して、国際関係ひいてはそこから見える国家的位置づけを明らかにする研究である。 上記の視点から本年度は、申請書に記載した内容に基づき、次の四点について研究を進めた。まず第一点目に前年度より引き続きいて、明治15、16年における伊藤博文の渡欧について、日独外交関係の視点からの考察をまとめた。論文掲載等については、次年度に譲ることとなったが、研究代表者がこれまでドイツで行ってきた在独日本関係の外交文書の他、新史料を使用してこれまでにない視点を提示する実証的な研究成果を得ることができた。第二点目は、在墺史料を使用し、オーストリア=ハンガリー帝国の東アジア政策を背景とした、シュタインの日本への関与について研究を進めた。これについては、オーストリア(ウィーン)で行われたグローバル・ヒストリーの国際学会で発表する機会を得た。国際的な場において本研究の意義を問い、反応を得る貴重な機会となった。報告についての批評がweb上で公開されている。 第三点目に、在欧外交官研究としての前提となる、在独・在墺公使館および公使についてまとめ、OAG(ドイツ東洋文化研究協会)のシーボルトセミナーにて発表した。ここでは、これまで漠然と提示されてきた長州と薩摩藩出身者の渡航先を統計比較することによって、ドイツ留学・赴任者における長州系人脈について明らかにした。第四点目は、日本駐箚のドイツ公使の私文書の調査、収集、分析をドイツで行った。その成果の発表については次年度以降に譲る。 以上、日本における一次史料に加え、在独、在墺の史料に基づいた研究を行い、またその成果を海外で発表する機会も得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画の通り、ドイツ、オーストリアにおける外交文書、公文書、私文書を収集することによって、これまで主に日本側史料に基づいて論じられてきたシュタイン国家学の参照・導入課程について、外交・通商上の諸条件を加味した考察を進めることができた。一方で、その研究成果の公開については限定的であるため、今後は広くその成果の発表、公開につとめていきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
ベルリン自由大学客員研究員として半年間渡独する中で、在ドイツ史料の分析や関連研究の精査を拡充し、その後、研究発表や論文執筆を展開する予定である。また、グローバル・ヒストリー研究や日独関係史研究の拠点の一つでもある本大学において積極的に研究交流に参加し、指導・助言を受け、海外の歴史学会にも通じる研究を進めていきたいと考える。
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Research Products
(2 results)