2014 Fiscal Year Annual Research Report
カリウムチャネル活性を高感度に検出する複合型カリウムプローブの創製
Project/Area Number |
12J11023
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
平田 智也 東京大学, 薬学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 蛍光プローブ / カリウムイオン / イメージング / カリウムチャネル |
Outline of Annual Research Achievements |
【1】細胞膜上に集積可能なK+プローブTLSHaloの応用: 1細胞におけるK+チャネルを介したK+流出のリアルタイム蛍光検出について検討した。以前にカバーガラス下で細胞から流出するK+の蛍光検出に成功したが、同手法では刺激の前後での継時的な蛍光観察は困難であった。そこで刺激の前後のK+流出の様子をリアルタイムで観察できる測定系として、全反射照明蛍光顕微鏡(TIRF)を用いた1細胞レベルでの蛍光観察を試みた。細胞表面にHaloTag融合Gタンパク質とCa2+依存性K+チャネルを一過性に発現したHEK細胞をTLSHaloで標識し、この細胞の底面においてTLSHaloの蛍光を観察した。この細胞をパッチクランプ法により一時的に脱分極させると、K+チャネルの開口によるK+電流とそれに伴う細胞膜上のTLSHaloの蛍光の一過性の上昇が観察された。すなわち、これまでに例のない細胞表面における電気刺激に伴うK+流出のリアルタイム蛍光検出に初めて成功した。 【2】組織切片でのK+イメージングを指向したK+プローブの開発:生体試料のモデルとして3次元培養細胞系であるスフェロイドおよび細胞シートを用いて検討を行った。TLSHaloはこれらの3次元培養細胞の内部を染色し、K+の添加による蛍光上昇も観察された。3次元培養細胞においてもK+の蛍光観察が可能であることが確かめられ、将来の生体組織観察の実現に繋がる知見を得ることが出来た。また遺伝子導入によらず組織切片の細胞の表面にK+プローブを集積させる手法として、脂質や細胞膜集積性を持つタンパク質に対するK+プローブの修飾法を検討し、後者において光学特性を維持した複合体の開発に成功した。今回の知見を現在開発中である2光子励起に適したK+プローブと組み合わせることで、将来的に組織切片を用いた簡便なK+動態の蛍光イメージングの実現が強く期待される。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)