2012 Fiscal Year Annual Research Report
画像処理を用いた水産資源量調査のための自動計測システムの開発
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12J11059
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Research Institution | Future University-Hakodate |
Principal Investigator |
榎本 洸一郎 公立はこだて未来大学, システム情報科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 水産資源量調査 / 画像処理 / 海底画像 / 海底動画 / ホタテガイ / コンブ / エゾワカメ / 底生生物 |
Research Abstract |
画像処理を用いた水産資源量調査のための自動計測システムの開発を目的とし,北海道常呂で行われているホタテガイ養殖のための資源量調査及び北海道歯舞で行われているコンブの資源量調査を対象とし,研究を行った. ホタテガイの資源量調査では,海底を撮影した画像や動画が用いられている.本研究ではこれらの動画像群から自動的にホタテガイを計測技術の確立が求められる.礫場環境および砂場環境の海底画像からのホタテガイ検出手法は昨年度までに確立している.当該年度では,新たに海底動画を安定して撮影できる撮影機材を開発し,北海道紋別沖にて撮影できるかを検討した.当該年度では,海が時化ることが多く,撮影できた回数は少なかったが,撮影および撮影された映像は本システムにおいて十分な品質を保っていることが確認できた.また,砂場環境において撮影された映像からホタテガイ自動検出できることを確認した.これらの成果により,提案システムにおけるデータの取得および自動検出について十分な検証が行うことができた.またこれらの成果は国内・国外の学会で発表した. コンブの資源量調査については,対象海域のコンブ場に生息しているエゾワカメとの識別手法を提案し,検証した.資源量調査では対象となる資源以外の水産資源との関係性も重要であり,エゾワカメはコンブ漁においては産業価値のない雑草であるためである.これらの成果は学会および画像電子学会の論文誌にて報告済みである.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究で提案しているシステムの開発において,ホタテガイとコンブは共に検出手法を提案し,十分な精度が得られている.当該年度においては,天候などによる海底動画などのデータの取得が十分ではなかったが,今後多くのデータを取得することで,十分な成果が見込まれる.
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Strategy for Future Research Activity |
当該年度において,十分に得られなかった海底動画をさらに撮影することが望まれる.また,ホタテガイおよびコンブそれぞれのシステムの現場導入に向けたアプリケーションの開発を行う予定である.これらについては,現場(漁協や水産試験場)の方が簡便に解析できること,必要な情報(提案システムによる解析結果とGPSデータとの統合等)を提示することが求められる.このため,実際の現場の方にアプリケーションを使ってもらい,意見を収集し,システムの評価とともに新たな問題点の把握を行う予定である.
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Research Products
(6 results)