2012 Fiscal Year Annual Research Report
混合溶媒を用いた準希薄溶液中で形成されるミクロ相分離構造とレーザー共振器への応用
Project/Area Number |
12J11060
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
安藤 幸治 名古屋工業大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ブロック共重合体 / 混合溶媒 / ミクロ相分離構造 / 巨大グレイン / 屈折率差 / レーザー発振 |
Research Abstract |
現在、低閾値レーザー発振の開発にはブロック共重合体やコロイド結晶、コレステリック液晶などを用いて行われている。これまでに申請者のグループでは超高分子量PS-b-PMMAもしくはPS-b-PtBMAを用いてTHFと水の混合溶媒中で非常に大きな高秩序構造(グレイン構造)の形成を実現している。そして巨大なグレイン構造をレーザー共振器(DFB型)として用い、低閾値高強度レーザー発振を実現しようと研究を重ねてきた。しかし、半導体レーザー並に低閾値化は達成できておらず、工業化するには更なる閾値の低下が求められる。そのレーザー発振閾値の低下のために必要とされるのが、より大きな共振器のサイズと二相間の屈折率差である。より大きな共振器サイズはcmサイズのグレイン構造をレーザー共振器として用いることで解決できる。しかし、準希薄溶液中であるために大量の溶媒により二相間の屈折率差は低下しており、その差が非常に小さい(現在0.02程度)という問題が解決されていないままである。レーザー発振の低閾値化のためには、準希薄溶液中でグレイン構造を形成し、かつ二相間の屈折率差を広げる必要性がある。そこで異なる選択性を有する混合溶媒の組み合わせについて系統的に研究を行うことで準希薄溶液中でのミクロ相分離挙動を自在に制御でき、その結果として二相関の屈折率差が広がる混合溶媒系を生み出すことが可能であると考えた。本年度は、屈折率差の大きなブロック共重合体であるPS-b-PtBMAまたはPS-b-PMMAを研究室内に既設の真空ラインを用いて真空下逐次アニオン重合法により合成した。得られたブロック共重合体を混合溶媒に溶かすことで形成するミクロ相分離構造を研究室内に既設のUV可視分光測定器や小角X線散乱装置を用いて構造解析を行った結果、混合溶媒中で形成するミクロ相分離構造の詳細が分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
屈折率差の大きなブロック共重合体であるPS-b-PtBMAまたはPS-b-PMMAの合成には成功し、一部の混合溶媒中で形成するミクロ相分離構造の構造解析には成功したが、屈折率差が大きく異なる混合溶媒系を実現するには至っていないため。また、論文投稿や学会等による研究成果の発表が十分に行えたとは言えないため。
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Strategy for Future Research Activity |
様々な組み合わせの混合溶媒系を用いてブロック共重合体の二相間の屈折率差が大きく異なる実験系の最適化を行う。そのためにブロック共重合体の二相間における各ポリマー成分と溶媒成分の分配状態をシミュレーションソフトSUSHIを用いて計算し、屈折率差が大きく広がる混合溶媒系を効率よく見つけ出すことを行う。 また、ミクロ相分離構造の構造解析を行う際に、研究室に既設の小角X線散乱装置を用いるだけでなく、大型放射光施設SP-ring8内の小角X線散乱装置を用いることでミクロ相分離構造の構造解析を速やかに行う。
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Research Products
(1 results)